スイスレース

スイスレースは、カツラのベース(土台)に使用されるレース素材の一種である。
スイスという名前が付いているが、スイスで生産されているとか、発明された、とかいうわけではなく、単なる商品名である。

レースは厚みによって、薄い方ものから順に「スイスレース」「フレンチレース」「モノレース」の3種類がある。
厚いほうが耐久性があり、またある程度の固さ(曲がりにくさ)があるため、使い勝手がよい。
一方で、貼るかつらでは、髪だけが見えて髪が結び付けられている土台は見えない、という状態が望ましい。
このため、薄い方が自然に見え、バレないかつらとなる。

スイスレースは最も薄いレース素材であり、自然さを優先するカツラに使用する。
反面、耐久性は劣る。

こうした特性から、初心者よりは上級者向け、常用よりはここ一番のピンポイントでの使用向け、という位置づけになる。
一般には2ヶ月程度で寿命になり、更新が必要となる。

フロント用の小さなカツラでは、地肌が見えやすいのでスイスレースを利用した方がよい。
こうしたケースでスイスレースの特長である、薄くて見えにくいというメリットが重要となる。

スイスレースは耐久性に劣るが、丁寧に使えば寿命は伸びる。まず、無理に剥がさないことが重要である。リムーバーを使って接着剤を弱めてから剥がさないと、たちまち破れてしまう。

こうした点に注意して、丁寧に扱えば、かつらとしては最高のパフォーマンスを引き出すことができる。

髪の量の決め方

カツラに植える髪の量はパーセンテージで指定する。
問題は、いくつの数量を指定するかであるが、カツラは主観が重要であるため、人によって好みの量はかなり違う。
髪は少な目の方が自然に見えるが、一般にかつら装着者は少ない髪に強い不安を覚える傾向があるため、
最初は多めからスタートするほうがベターだ。
特に従来型のカツラからの移行の場合、120%-130%とかなり多い髪量がお勧めである。
これは従来型かつらの欠点であるが、極端に多い毛量としてベースを隠すため、そこから移行する場合は多い毛量でスタートして徐々に減らしていく、という方法を取らざるを得ない。

パーセント数による髪量の指定方法は、昔から慣例的に使われている。
では、100%は何か、というと諸説あってよくわかっていない。
国際規格があるわけではなく、それぞれのカツラショップが独自にチャートを作って定義しているようだ。
このため、店を変えるときは同じ指定でも量が異なるため、注意が必要だ。

髪量の感じ方は個人差がとても大きい。
また、同じ人でも装着しているうちに気が変わることも多く、購入当初は80%でも少ないと思っていたのだが、1ヶ月も使っていると多すぎると感じて次回は70%にする、などというケースもよく見られる。
写真でみたとき、実物を手の上において見たとき、カットせずに頭に仮装着したとき、本装着してカットしたとき、そのまま1週間程度経ったときと、どんどん印象は変わっていく。
特にサンプルで選ぶときは、実物があるので間違えないと思いきや、こんなはずではなかったということも起こりうる。
バレないかつらを作るためには、こうした点にも注意する必要がある。

髪のカールとストレート

カツラの髪についている、「巻き」のこと。ウェーブとも言う。
ヒトは、もともと髪の断面は楕円である。この楕円が円に近いほどストレートになるのだが、多かれ少なかれ楕円になっているため、必ず巻きが入る。
この巻きの強さ、つまり楕円のきつさは人種によって差があり、黒人は楕円がきつく、アジア系黄色人種は真円に近い。このため、我々日本人は比較的ストレートヘアが多い。
それでも、人の髪はほとんどの場合、多かれ少なかれ巻きがついており、まったくのストレートは珍しい。
シャンプーのCMなどで人形のような完璧なストレートヘアが演出されることがあるが、これは人工的な処置(ストレートパーマなど)によってストレートに加工しているケースが多い。

最初のカツラ注文の際は「自然なストレート」がよいだろう。これは自然なカールが少々残る、日本人に多い髪の感覚である。まずは「自然なストレート」で様子を見て、それから「軽めのウェーブ」か「できるだけストレート」に進むと失敗が少なくて済む。なお、当店の受注は9割近くが「自然なストレート」のカツラである。

天然毛髪やレミーヘアでは、ストレートを指定しても多少の巻きがついている。
しかし、この巻きは人の髪としては自然に見える。むしろまったく完璧なストレートはまるで日本人形のような違和感、つまり自然にはありえない感覚があって、カツラには不向きである。

アデランス社の経緯

国内随一のかつらメーカーといえば、アデランス社。これはダントツの一位で、過去40年の日本のかつら市場を牽引してきた巨大な存在です。

最大手のかつらメーカー「アデランス」の創業は1968年9月。女性用かつらメーカーに勤めていた根本信男氏(現会長)が、それまであまり普及していなかった男性用かつらの潜在需要に目を付け、同僚2人とともにアフターケアも行う個人商店「アデランス」として、東京・新宿でスタートさせた。

アデランス社の創業時代、かつらという商品はとてもマイナーなものでした。それを男性の薄毛対策の商品として、新しいジャンルを確立したというのはものすごいイノベーションだったのです。

社名をつける際に根本氏は、海外事情に詳しい知人の大学教授に相談。すると「従来の『かぶる』ではなく、『つける』かつらという意味を込め、フランス語で『くっついていること(付着)』を意味する『Adherence(アデランス)』とするのはどうか」と提案された。同僚2人も気に入り、採用が決まった。

これまでにない、新しい価値の想像という意味で、当時のアデランス社はベンチャーの魁とも言える存在でした。日本では薄毛という症状が忌み嫌われ、それに対する商品という新しいジャンルを切り開いたのです。

創業直後から広告宣伝を重視。テレビCMなどを大きく展開して顧客を開拓するスタイルを取ってきた。70年代、子どもが父親に「パパ、アデランスにして良かったね」と話しかけるテレビCMは、アデランスの知名度を飛躍的に高めるのに貢献した。

特に素晴らしい点は、かつらという超々ニッチな商品を、一般的なテレビCMに登場させ、世間一般に知らしめたことです。当時のテレビというのは今の比ではない巨大な存在でした。インターネットが登場するはるか前の時代です。テレビで有名になるというのは、一般世間で有名になるというのと同じことでした。アデランス社には、かつらが一般の人に知る商品になる、という優れた先見の明があったのです。これがアデランス社が急成長を実現した要因の一つです。

しかし、アデランス社の大きな転機が間もなく訪れます。高価なオーダーメードかつら、フルサービスというビジネスモデルが崩壊し始めたのです。かつらはあまりに高額になりました。1つ数十万円というのは、コンプレックス産業という特殊事情を考慮しても、なお高すぎました。この間隙をぬうように、安価な商品を提供する新しいカツラのビジネスモデルが広まったのです。広告宣伝や駅前店舗など高い経費をかけたアデランス社は、デフレに対応することが難しかったのです。

アデランス社の赤色ナローバンドLED

アデランス社が支援している研究の一つに、ナローバンドLEDを使った育毛がある。
ナローバンドLEDとは、通常のLEDと比較して、発生する光が特定の波長に集中するように設計されている。
要するに、レーザー治療と同じ効果を狙っているが、レーザーより安価でかつ波長を自由に選べるLEDを用いることで、よりメリットを追求しようというものだ。

一方で赤色LEDを使用するということは主に熱的効果を狙っており、ナローバンド化の意味には理論的な裏付けが困難となる。なぜナローバンドか、という点について「他の波長との干渉を防ぐため」とされているが、熱的効果に干渉もなにもない。また、LEDはもともと帯域はそれほど広くなく(逆に照明用LEDでは帯域を広げて演色性をよくするために苦労している)、それをつきつめることに対してどのような意味があるかは疑問の余地がある。

また、青、緑、赤のLEDでそれぞれ効果がある、という主張をされると、単に供給側の理論に合わせて効果を作ったような不思議な感覚を覚える。

さて、実験によればマウスにより発毛、育毛効果に有意差が見られたとのことだが、熱的効果であればエネルギー量がそのまま効果となるため、対照群のLEDとパワーを合わせたのか、という問題が生じる。ナローバンドLEDはバンドパスフィルタを使っているというが、これはようするにパワーロスを起こすため、そのロス分を補うよう強力なLEDを使っている可能性が高い。この補正が正しく行われないと、単に「温めれば細胞の活動が活発になる」という当たり前の現象を検証しているにすぎない。

残念ながら、現時点では検証に耐えるデータが公開されていないためなんとも言えないが、いずれ論文とするときはこれらの実験設計は極めて重要であり、明記されるであろうから、その際に再検証を行いたい。

 

かつら用の接着剤

かつらを装着する時には、従来型のかつらではピン、つまり髪を挟み込む金具が使われた。
これに対して、貼るタイプのカツラの装着時は、テープまたは接着剤、場合によってはその両方が使われる。
このうち、接着剤は、かつらの縁がない部分、つまりレース部分を頭皮に貼るのに使用する。
使用時には、カツラ(レース)側ではなく、頭皮側に塗るらなくてはならない。
カツラ側に塗る方法もないわけではないが、べとつきが髪に広がりやすいという問題が生じる。
したがって、ほとんどの場合は頭皮側に塗り、そこにレースを貼り付ける、という使用手順となる。

接着剤は、テープと比較して自然だが、髪がべとついたり、使用後の除去が面倒という欠点がある。
屋外で過ごす時間が長いときなど直射日光を浴びるときは、テープだと反射が気になる場合があり、
接着剤がお勧めである。バレないかつらとしては接着剤の方が有利なのだ。
ただし、これはかなり特殊な状況であり、特に室内の仕事に従事している人であれば、反射にそこまで気を遣う必要はないだろう。

よくある質問は「化学物質である接着剤を、直接肌に塗っても健康に被害はないのか」というものである。
もともと人体用に製造されており、一般的な肌の人であれば長期にわたって使用しても問題ない。
歴史もあり、世界中で広く用いられているわけだからまず心配はいらない。
ただし、アレルギー体質や肌が弱い人などは、事前に接着剤の販売者に相談した方がよい。
海外から安価に個人輸入することもできるが、最初の1本目は相談しやすいということで国内販売業者から購入したほうがよいだろう。

なお、既存タイプ(ピン留めや編み込み式など)のカツラ業者は、接着剤に対する生理的嫌悪感をあおって自社製品の優位性をアピールすることがあるが、一つの販売戦略である。内容を良く読んで判断して欲しい。

接着剤で問題になるのは、メンテナンスである。
べとつきを除去する際にはリムーバーを使って取り除くのだが、それなりに時間と手間がかかる。この点はテープの方が有利である。
レースの部分であれば、接着剤でもテープでも留めることができるので、両方を経験してからどちらでいくのかを決めるとよい。
普段はテープで、特別なときは接着剤で、という使い分けも可能だ。

かつらの髪色とは

かつらの髪の色について説明します。
オーダーメードでは髪量や形などさまざまな仕様を決めて注文するわけですが、
その中でも髪の色は重要です。

髪の色をどうやって指定するかというと、もっとも一般的なのは髪サンプルを使う、
つまり自毛を切ってその色に合わせる、という手法ですが、何らかの理由で自毛が採れないとき、
色コードで指定することもできます。

もっとも真っ黒な髪が#1。
そこから明るくなるにつれて、#1B, #2, #3 ,…と数字が大きくなります。
#1Bのように添え字としてアルファベットが付くこともあります。

ただし、この色コードは、多くのカツラ店で使用されていながら、規格が決まっているわけではありません。
特に明るい色(茶髪)では、カツラメーカーによって色合いが異なりますので、色コードによる指定は、当店では#1と#1Bに限っています。

日本人では#1、つまり真っ黒、漆黒の髪が好まれますが、それより明るい#1Bも広く用いられています。
#2以上は、生粋の日本人の髪ではあまり見られず、染めた人向けになります。

かつらの素材として真っ黒な髪が好まれると言っても、実は、黒々とした髪は、カツラっぽく見える原因の一つです。
もし、髪色がちょっとでも明るいなら、#1Bがお勧めです。
屋外に長くいる人なら、紫外線のため頭頂部の髪の色が少し抜けて明るい色になっているのは、ふつうにあります。
したがって、頭頂部のカツラ部分の色が僅かに薄いのは、ありなのです。
逆に頭頂部だけ色が黒いのはアウト、自然では見られない状態です。あるとすれば、脱色した毛が伸びて自毛の色がでてくる、
いわゆるプリンの状態ですが、これを模擬するというのもちょっと奇妙に感じます。

真っ黒はいやだがなお、それでも明るい色に抵抗があるのであれば、#1と#1Bを半分ずつ混ぜる、という指定も可能です。

もし、#1Bでオーダーして、実際にはもっと黒い髪が欲しかった場合、市販の毛染め剤で、カツラを染めて色を濃くすることもできる。
しかし、#1でオーダーすると、髪の色を薄くすることはできないため、色は変えられないことになる。
その点では、1回めの注文では明るい色の方が対処が可能な分、適している。

電車で女性の髪切り逮捕

電車内で乗客女性の髪の毛を切り、5日、愛知県警に傷害容疑で逮捕された大学院生の男(23=同県一宮市)は「ネットオークションで売るために切った」などと供述しているというが、いったい誰が買うのか。

男は5日朝、名鉄の国府宮駅―名鉄名古屋駅を走行中の電車内で、稲沢市の派遣社員女性(40)の髪の毛をはさみで35センチほど切った疑い。県内では13年5月ごろから同様の事件が30件ほど起きている。県警は余罪も追及しているという。

髪に興奮を覚えるという違った世界のお話でした。

髪そのものに興味があるのでしたら、市場で流通しています。でも、たぶん違うんですよね。髪と、その持ち主を結びつける何かが必要で、持ち主の色を消してしまった髪素材ではだめなんでしょう。

とってもディープな世界でした。

アデランス、米に初の女性専門店 かつら販売や育毛

かつら最大手のアデランスは12月、米国に初の女性専門店を開設する。子会社で米かつら大手のヘアクラブ(フロリダ州)が運営する店舗で、かつらの販売のほか、育毛サービスなどを提供する。現地でも薄毛や髪のボリューム感の減少に悩む人が増えており、米国で女性向け市場の開拓に取り組む。

まずアトランタに出店する。店舗面積は約390平方メートルで、中規模店に相当する規模で、売上高は年1億2千万円を目指す。

かつら業界は、厳しい競争環境下にあります。これまでアデランスとアートネイチャーが独占的な地位を占めていたのですが、新興のショップが安い価格を武器に市場を侵食しつつあります。これまでの高価格かつらを使った囲い込み戦略がうまく回らなくなっているのです。このため、停滞する国内市場から、まだ未開拓な海外市場に切り替えたというわけです。これが名案なのか迷走なのか、答えがでるのは何年かたってからでしょう。

ヘルメット型育毛機器

本日のニュースより

アデランスは23日、家庭で育毛ケアができる、赤色LEDを使ったヘルメット型機器の新機種「ヘアリプロ LED プレミアム」を販売します。ヘルメットの内側につけた80個の赤色LEDが頭皮を照射し、育毛を促すという。重さは560gと軽量であり、従来品より2割軽くなりました。男女兼用で、青系と白系の2色。本体価格は税抜き13万5千円。

(http://www.asahi.com/articles/ASJCQ559NJCQULFA01C.html朝日新聞デジタル)

なかなかよさそうですね。LEDを並べた機械にしては値段は高めですが、何か工夫があるのでしょう。 赤色ということは熱的効果を期待していると思われます。結構を良くして育毛、というタイプのようです。