アデランス社の赤色ナローバンドLED

アデランス社が支援している研究の一つに、ナローバンドLEDを使った育毛がある。
ナローバンドLEDとは、通常のLEDと比較して、発生する光が特定の波長に集中するように設計されている。
要するに、レーザー治療と同じ効果を狙っているが、レーザーより安価でかつ波長を自由に選べるLEDを用いることで、よりメリットを追求しようというものだ。

一方で赤色LEDを使用するということは主に熱的効果を狙っており、ナローバンド化の意味には理論的な裏付けが困難となる。なぜナローバンドか、という点について「他の波長との干渉を防ぐため」とされているが、熱的効果に干渉もなにもない。また、LEDはもともと帯域はそれほど広くなく(逆に照明用LEDでは帯域を広げて演色性をよくするために苦労している)、それをつきつめることに対してどのような意味があるかは疑問の余地がある。

また、青、緑、赤のLEDでそれぞれ効果がある、という主張をされると、単に供給側の理論に合わせて効果を作ったような不思議な感覚を覚える。

さて、実験によればマウスにより発毛、育毛効果に有意差が見られたとのことだが、熱的効果であればエネルギー量がそのまま効果となるため、対照群のLEDとパワーを合わせたのか、という問題が生じる。ナローバンドLEDはバンドパスフィルタを使っているというが、これはようするにパワーロスを起こすため、そのロス分を補うよう強力なLEDを使っている可能性が高い。この補正が正しく行われないと、単に「温めれば細胞の活動が活発になる」という当たり前の現象を検証しているにすぎない。

残念ながら、現時点では検証に耐えるデータが公開されていないためなんとも言えないが、いずれ論文とするときはこれらの実験設計は極めて重要であり、明記されるであろうから、その際に再検証を行いたい。