円形脱毛症とは

円形脱毛症には次の特徴がある。
自覚症状がなく、ある日突然、頭に円形で境目がはっきりしたハゲができる。
円形の脱毛がひとつだけできるものから(世間一般にはこのイメージだ)、複数同時にできるもの、頭髪全体が抜けるもの、さらに眉毛、まつ毛、陰毛や体毛など、ひどい場合は全身の毛が抜ける場合すらある。脱毛部分周囲の毛を引っ張ってみて、毛が抜けるのであれば円形脱毛症が進行していることを意味する。進行が止まれば、多くの場合は数カ月後に軟らかい毛がはえてきて、更にその後、硬い毛が生えてくる。
その意味では、進行を止めることが精一杯の男性型脱毛症と異なり、条件が整えば完全に治るといえよう。

円形脱毛症は、部分的に急にまとめて抜けしまうという特徴がある。このため、目立ちやすいという弊害がある。
髪の毛が正常に成長していたのにもかかわらず、急に抜けてしまうという点で男性型脱毛症など他の脱毛症と区別できる。
原因として、アレルギーによるもの、ストレスによるものなど諸説あるが、実際にはよくわからないことも多い。

小さな円形脱毛症に対しては、縁なしのカツラを切り取って用いるケースが多い。
この方法だと、1つのカツラから多数切り出すことができるので経済的である。
髪色さえ合えば、既製品カツラもよく用いられる。
多数の円形脱毛症に対しては、全頭かつらが用いられる場合もある。この場合は常用ではなく、外出専用とするケースも多い。

植毛 その2

自家植毛は、元気な毛を毛包単位で移植します。
メスを使わない方法が広く行われており、安全性が高くなっています。
メスを使わないのにどうやってグラフトを採取するかと言うと、「パンチブレード」と呼ばれる機械を使って毛根を一つ一つ頭皮から繰り抜きます(パンチ)のでパンチグラフト法と呼ばれたりもします。

薄毛部分への移植も「パンチブレード」使い、0.6~0.8ミリ程度の極小の穴を一つ一つ開け、その穴に採取した毛根を植え付けていきます。

この方法は頭皮を切開しなくてすむため、傷が小さくて済みます。
麻酔が切れた後も痛みは少なく、回復も早い方法です。

なにしろ、数日後にはほぼ通常の生活に戻ることができます。
傷口が目立たなくなるまでは数週程度。かなり短い期間です。

また、メスで切開しないため、抜糸がありません。
遠方の病院で施術する際には重要なポイントになります。

一方で、正確に毛を切り出さないといけません。切り出す際に根毛を損傷させるとアウトです。また、位置決めを1回1回行うので、手間はかかります。

この問題を解決したのが植毛ロボット「ALTUS(アルタス)」です。

ALTUS(アルタス)は毛株を採取するためのロボットで、
側頭部・後頭部の採取部分を高速撮影し、画像解析して、毛の密度や向き・角度を把握、その情報を元に、ロボットアームがミクロンレベルの精度で摘出するので、手作業よりも高品質なグラフトを採取できるようになりました。
また、精密なだけでなく1時間に500株以上のスピード摘出が可能なので生着率の低下も防ぎます。

摘出の際に最適な間隔をARTASが計算するのでドナー摘出部分がムラにならない、施術者の人為的ミスによるリスクが低いという品質管理上のメリットもあります。

植毛

自毛植毛とは、自分の別の場所にある髪をとってきて、薄毛になっている部分に植える方法です。

他の薄毛対策とくらべて、次のメリットがあります。

生着率が高い
自毛植毛に使用する毛髪は、生える力がある、つまり男性型脱毛が起きにくい側頭部や後頭部の毛髪です。
移植した毛髪は一旦抜け落ちますが、数ヶ月で発毛が始まります。
毛乳頭が移植した部分の頭皮の毛細血管や神経と結合することで生え揃います。
毛乳頭とは毛髪の成長に必要な栄養を取り入れる組織のことです。

再び生える現象を生着と言い、現在の生着率(定着率)は高いと言われています。
何しろ、自分の毛。拒絶反応(身体が異物とみなして抜けてしまうこと)が起きないから実現できるのです
この高い生着率は自毛植毛ならではのメリットです。

さらに、移植される毛髪は、もともと脱毛しにくい部位であり、男性型脱毛症の影響を受けにくい毛髪なので、生着すれば自分の髪として生涯生え続けます。

自然な仕上がり
自分自身の毛髪なので、髪の色や髪質が周りになじみやすいのも特徴です。
驚くべきことに、年齢を重ねると白髪にもなってきて、まったく自毛と変わりません。
また株分けした毛髪を移植する場所によって使い分けることで、より自然な効果を作り出せます。

本数の多い株はボリュームは出せるが自然さが欠ける、1本の株では自然だがボリュームを出しにくい、などの効果のため、併用されることもあります。

男性ホルモンの影響を受けにくい
前頭部や頭頂部の薄毛の原因の1つに男性ホルモンが挙げられます。

テストステロンが5αリダクターゼによってジヒドロテストステロンに変異します。 このジヒドロテストステロンが毛乳頭の男性ホルモン受容体と結合することで髪が育たず脱毛してしまうのです。
実は自毛植毛に使われる側頭部や後頭部の毛乳頭には、男性ホルモン受容体がほとんど有りません。

そのため移植後も男性ホルモンの影響で抜けることなく育つのです。

かつては人工毛を植える手法が一般的でしたが、今ではあまり使われません。
ばれない、という点ではよいものの、人体へのマッチという点で大きな課題があるからです。

AGA

男性特有の脱毛症(ハゲ)のことをAGAと言う。andorogenetic alopeciaが元の単語。
主に30歳以降の男性に多くみられるが、20代前半でも発生することがあり、若年性脱毛症と呼ばれる。
男性5-6人に1人は男性型脱毛症と言われており、日本では1200万人前後と推定されている。
ヘアサイクル(周毛期)の成長期が短くなることで発症し、主に前頭部と頭頂部の髪が薄くなるという特徴がある。
男性ホルモンとその受容体が大きく関わっていると考えられているが、正確なところはまだ解明されていない。
近年、盛んに研究が進められているものの、全容解明には至っていない。

男性型脱毛症は、いったん発症すると一定の範囲までどんどん拡大していく。
一定の範囲とは、前頭部および頭頂部に限られ、横は後ろの髪は元気なことが多い。
前頭部あるいは頭頂部のどちらか一方だけ進行する場合と、同時に進む場合がある。
これにより様々なパターンが分類されている。

部分カツラの利用の多くは男性型脱毛症である。
横と後ろは髪が残るため、自毛にピン(金具)で留めるカツラも利用できる。

急速に進むことがある円形脱毛症と違い、進行は比較的ゆっくりである。
このため、なかなか気づきにくく、床屋から「頭頂部が少し弱っていますね」などと言われて始めて気づくこともある。

近年では、カツラ以外の対処法として、治療薬も発売されている。
ただし、男性型脱毛症は病気ではないため、薬は根本的な治療ではない。
飲んでいる間、脱毛を進行させる体内システムの働きを阻害するだけである。従って、飲むのをやめれば、再び進行する。
このため、薬を開始するときは、いつまで続けるのか、例えば結婚するまでとか、40歳までとか、何らかの形で決めておいたほうがよい。

男性型脱毛症の治療を行うときは、発毛を謳ったいわゆる発毛サロンや、カツラサロンではなく、病院に行くことをお勧めする。サロンは常に継続することを強くすすめるため、撤退の時期を誤り、支払いが雪だるま式にふくらんでいく。

アデランス社の赤色ナローバンドLED

アデランス社が支援している研究の一つに、ナローバンドLEDを使った育毛がある。
ナローバンドLEDとは、通常のLEDと比較して、発生する光が特定の波長に集中するように設計されている。
要するに、レーザー治療と同じ効果を狙っているが、レーザーより安価でかつ波長を自由に選べるLEDを用いることで、よりメリットを追求しようというものだ。

一方で赤色LEDを使用するということは主に熱的効果を狙っており、ナローバンド化の意味には理論的な裏付けが困難となる。なぜナローバンドか、という点について「他の波長との干渉を防ぐため」とされているが、熱的効果に干渉もなにもない。また、LEDはもともと帯域はそれほど広くなく(逆に照明用LEDでは帯域を広げて演色性をよくするために苦労している)、それをつきつめることに対してどのような意味があるかは疑問の余地がある。

また、青、緑、赤のLEDでそれぞれ効果がある、という主張をされると、単に供給側の理論に合わせて効果を作ったような不思議な感覚を覚える。

さて、実験によればマウスにより発毛、育毛効果に有意差が見られたとのことだが、熱的効果であればエネルギー量がそのまま効果となるため、対照群のLEDとパワーを合わせたのか、という問題が生じる。ナローバンドLEDはバンドパスフィルタを使っているというが、これはようするにパワーロスを起こすため、そのロス分を補うよう強力なLEDを使っている可能性が高い。この補正が正しく行われないと、単に「温めれば細胞の活動が活発になる」という当たり前の現象を検証しているにすぎない。

残念ながら、現時点では検証に耐えるデータが公開されていないためなんとも言えないが、いずれ論文とするときはこれらの実験設計は極めて重要であり、明記されるであろうから、その際に再検証を行いたい。

 

ヘルメット型育毛機器

本日のニュースより

アデランスは23日、家庭で育毛ケアができる、赤色LEDを使ったヘルメット型機器の新機種「ヘアリプロ LED プレミアム」を販売します。ヘルメットの内側につけた80個の赤色LEDが頭皮を照射し、育毛を促すという。重さは560gと軽量であり、従来品より2割軽くなりました。男女兼用で、青系と白系の2色。本体価格は税抜き13万5千円。

(http://www.asahi.com/articles/ASJCQ559NJCQULFA01C.html朝日新聞デジタル)

なかなかよさそうですね。LEDを並べた機械にしては値段は高めですが、何か工夫があるのでしょう。 赤色ということは熱的効果を期待していると思われます。結構を良くして育毛、というタイプのようです。

小児がん患者にかつらを 新潟市中央区で募金活動

日々のおはなし

抗がん剤治療などで頭髪を失ったがんの子供にかつらを贈ろうと、理容師らでつくる県理容生活衛生同業組合は12日、新潟市中央区の古町十字路で募金活動を行った。9月の第2月曜日は「理容ボランティアの日」で、全国各地でそれぞれ行われる取り組みの一環である。本県での募金活動は今年で7年目。昨年までに寄せられた36万5602円で中高生の女子4人にかつらをプレゼントした。12日は組合の青年部9人が「がんと闘う子供たちのために協力を」と声を張り上げた。

医療用かつらはお金がかかります。大人でも苦労するわけですが、ましてや子供だとなおさら。

多感な時期、御見舞にくる友人に対しての想いもありますし、かつらが手に入るよう支援が欠かせません。

今回は4人で36万円とのことで、相場より安く、きっとカツラショップも支援してくれたのでしょう。

かつら、補整具の補助枠増 がん闘病へ74人分

日々のおはなし

抗がん剤の副作用や乳がん手術で、かつらや胸部の補整具(下着など)が必要になった人への購入費助成の申請が増加している。これを考慮し、県は予算枠を増額することを決めた。病と闘う人が抱く見た目への不安を和らげようと、県は今年4月から購入費用の半額(上限2万円)を補助する制度を創設し、当初予算で90人分の予算を設けたという。
医療用かつらは費用がかかるにもかかわらず、保険がきかない場合が多々あります。入院による出費が重なる時期に、さらに何十万円もするカツラとなると、やりくりに苦労することは必至です。

こうしたタイミングで、補助があると何かと救われます。とはいえ、上限2万円とはあまりに少ない…。もともとカツラをメインターゲットにしていない補助なのでしょう。予算との兼ね合いでなかなか難しい問題です。

頭髪再生医療の臨床試験開始

日々のおはなし

東京医科大学 東邦大学医療センター 大橋病院 株式会社資生堂の連名のプレスリリースより

東京医科大学の坪井良治主任教授を中心とする研究チームは、東邦大学医療センター 大橋病院(責任医師:新山史朗准教授)および株式会社資生堂再生医療開発室(細胞培養加工等担当)との共同で、脱毛症や薄毛に悩む方々を対象に、医師主導の臨床研究を行うと発表した。本臨床研究では、再生医療のうち、自家毛髪培養細胞を用いた細胞治療法の有効性および安全性の検証を行うとされている。これまでの治療法では対応が難しかった方々も含めた QOL(クオリティー・オブ・ライフ:生活の質)向上に期待が寄せられており、今後が期待される。

脱毛症対策の臨床研究が始まります。

この類の話は定期的に出ては消え、出ては消えしていますが、今回は資生堂が参加しているだけに期待が持てます。いつの日か、画期的な新薬につながるかも。期待しましょう。