フレンチレース

カツラのベース(土台)に使用されるレース素材の一種。
当店では、レースはその厚みによって、薄い方ものから順にスイスレース、フレンチレース、モノレースの3種がある。
フレンチレースは厚さの点では中間的なレース素材。自然さと使いやすさのバランスがよく、貼るカツラでは最も多く使用される。当店では8割以上がフレンチレースである。

初心者から熟練者までお勧めのレースで、フロント用から全頭カツラまでオールマイティに使用できる。
ある程度耐久性があり、使用期間の目安としてフレンチレースでは3-4ヶ月くらいになるケースが多い。ただしこれは個人差が大きく、特に扱いの丁寧さと着脱の頻度によって変わる。

フレンチレースであれば、肌に密着させれば通常は見えないレベル。もちろん、明るい照明のもとで凝視すればわかるが、通常はそのような状況になることはないだろう。
初めて貼るかつらに挑戦するときは、フレンチレースがお勧めだ。

かつらのブラッシング

自毛の場合、ブラッシングは髪型を整えるだけでなく、皮脂を髪全体に行き渡らせる、血行を良くするというメリットがあります。そこで、ある程度ブラッシングは必要ですし、実際に皆様はそのようにしています。

しかし、カツラの場合、ブラッシングは最小限にする必要があります。
つまり、髪型を整える以外の目的でブラッシングする意味はありません。
それどころか、髪に負担をかけるため、過度のブラッシングは寿命を短くする元になります。

カツラにブラシを当てるときは、ゆっくり、ゆっくりと当ててください。
自毛のときのようにスピードを速めて当てるとカツラの負担になります。
特に、髪に引っかかったとき、力任せにブラシを進めなると、大きなダメージになることがあります。

カツラに使用する場合、あまり目の細かいブラシはよくありません。
目の細かいブラシは抵抗が大きく、かつらの髪とレースに大きな負荷をかけるからです。
毛の表面を荒らさないように保つことが、バレないかつらの第一歩です。
抵抗を減らすため、毛先を振動させるブラシもお勧めです。
一方で、磁石つきなど怪しげなブラシも市販されていますが、これは効果はありません。
特に高価なブラシは必要ありませんので、毛の粗いブラシをお求めください。
また、毛にスプレーをかけて通りを良くするのもお勧めです。

かつらベース

カツラの構成要素は2つある。それは、1つは髪、もう一つは、髪を結わえ付ける「土台」である。
本項目では、この土台、つまりベースについて解説する。

いわゆる「増毛」、すなわち、髪素材(髪単体)を購入しそれを自分の毛に結びつけるのは例外であるが、
それ以外の手法を使おうとすると、必ずベース(土台)が必要になる。
ベースなしに髪を固定することができないためだ。
ベースは様々なものがある。代表的なものは、次のとおりである。

・糸状
造りが簡単なため昔から用いられており、かつらというより増毛の一種と考えた方が近い。釣り糸、テグスのような透明な糸に、髪を結んだものである。この透明な糸の両端を、自毛に結びつけたり接着剤で接着する。そうすると、その間の線空間に髪が装着される、という手法である。この手法では、透明な糸がベースになる。
広い面積をカバーする必要があれば、この糸状の素材を並行に何本も貼っていく。
施工に手間がかかるが、素材としては糸を貼る感覚を調整することでかなり広範囲の毛量に対応できる。
その意味では中小のかつらサロンに向いたアイテムである。

・網状
カツラ用に広く使用される素材。かつらと言えばこのタイプを指すことが多い。
数ミリから1cm程度の目の粗さの黒い網を、頭の形状に合わせて半球上に整形する。
この網に髪を結わえ付けるのである。
網がベースとなる。
網が黒いのは、髪が透けて見えた時にベースが見えないよう、髪の一部に見えるようにするためである。
これはバレないかつらとして重要だ。

・メッシュ状のもの
上述の網タイプのベースに対し、厚みを薄くして、また肌色(まれに黒色も使用される)のメッシュ状にしたものが、
貼るタイプのカツラである。メッシュは数ミリ以下の目であり、網タイプに比べて非常に細かい。
また、繊維も太さもかなり細く、見えにくさに優れる。

・特殊形状
網状でありながら、編み目を極端に粗くしたタイプもある。
これは、自毛が少しだけ減った状態で使用される。したがって、自毛がかなり少なくなった状態では不適合である。
また、ベースを見せないために、相当多い髪量まで増やすことになる。
女性の場合、高齢でも多い髪が不自然ではないため、よくこうした形状が使われる。
男性の場合は、年に見合うよう髪量を減らした方が自然なので、このタイプはあまり使われない。

「全周囲縁あり」とは

貼るカツラでは、多くの場合、補強のための「縁」を、横と後ろにつける。
縁とは、かつらの一部(まれに全部に)裏打ちする、ポリエステル製のシートである。
ポリエステルシートを裏打ちすることで、ベースに強度をつけ、またテープを付けるための土台となる。
レースはメッシュ状でテープをつけようにもテープと接触する面積が少ないため、なかなかうまくつかない。
これに対して縁があれば、なめらかな表面を持つシートなので、テープがよく接着する。
かつらの使い勝手が大きく向上するので、迷ったら縁ありを選択してほしい。

横と後ろだけでなく、前も含めた全周囲に縁を付けることも可能である。
これは「全周囲縁あり」と呼ばれるカツラである。

全周囲縁ありのかつらにすると、レース部を接着する必要がないため、カツラ着脱が楽になるという特長がある。
また、フロントにレースがあると、レースはもともと強度が弱く損傷しやすいのに加え、
フロントはブラシがあたる頻度が高く、レースも傷みやすいというデメリットを甘受する必要がある。

一方で、フロント生え際を見せることができないため、分け目をはっきりつけることができないという欠点はある。
どうしても分け目を付けたいという場合は、カツラの髪量を相当多くする必要がある。
また、分け目がない場合でも、髪量の少ないカツラにすると縁が見えるため、ある程度の髪量は必要である。

最初に始めるかつらは、無難なところから始めるためにもフロントには縁を付けないほうがよいだろう。
ある程度貼るカツラに慣れてきてから、このタイプにチャレンジしたほうがよい。

また、仕事や学校がある時には自然さを優先し、バレないかつらとして「横と後ろに縁あり」のかつらを装着し、
オフタイムには扱いが楽な「全周囲縁あり」のカツラを使用するのもよい方法である。
全周囲縁ありのカツラは、移動ピンを使うことによりピン留めのカツラとしても使用できる。
(ただし、髪を剃る範囲が違うため、ピンをつけたり外したりして使うことはできない。
いったんピン留めカツラとしたら、その後もピン留めとして使う必要がある)

スイスレース

スイスレースは、カツラのベース(土台)に使用されるレース素材の一種である。
スイスという名前が付いているが、スイスで生産されているとか、発明された、とかいうわけではなく、単なる商品名である。

レースは厚みによって、薄い方ものから順に「スイスレース」「フレンチレース」「モノレース」の3種類がある。
厚いほうが耐久性があり、またある程度の固さ(曲がりにくさ)があるため、使い勝手がよい。
一方で、貼るかつらでは、髪だけが見えて髪が結び付けられている土台は見えない、という状態が望ましい。
このため、薄い方が自然に見え、バレないかつらとなる。

スイスレースは最も薄いレース素材であり、自然さを優先するカツラに使用する。
反面、耐久性は劣る。

こうした特性から、初心者よりは上級者向け、常用よりはここ一番のピンポイントでの使用向け、という位置づけになる。
一般には2ヶ月程度で寿命になり、更新が必要となる。

フロント用の小さなカツラでは、地肌が見えやすいのでスイスレースを利用した方がよい。
こうしたケースでスイスレースの特長である、薄くて見えにくいというメリットが重要となる。

スイスレースは耐久性に劣るが、丁寧に使えば寿命は伸びる。まず、無理に剥がさないことが重要である。リムーバーを使って接着剤を弱めてから剥がさないと、たちまち破れてしまう。

こうした点に注意して、丁寧に扱えば、かつらとしては最高のパフォーマンスを引き出すことができる。