つむじ専用のかつら

男性型脱毛では、生え際の後退と、つむじ周りの脱毛が同時に起きることが多い。
しかし、薄毛の進行具合は人まちまちであり、人によっては生え際(前頭部)は元気でもつむじだけが薄くなるケースがある。そんな時に使用するのが、つむじ用カツラである。
つまり、フロントは自毛を活かし、頭頂部だけを隠すタイプのカツラである。

つむじ用のカツラは、フロント生え際までカバーするカツラ(一般的な部分カツラ)より
運用上都合のよいことがある。

・装着が少々いい加減でも、まずバレる心配はない。つむじは生え際よりも目立ちにくいのだ。
・このため、全周囲縁ありや全面縁(メッシュ部分がなく、すべての部分が縁素材でできている)タイプが問題なく使用できる。こうしたタイプは、本来、自然さより扱いやすさや寿命を優先する目的で使われ、テープで装着できて扱いが楽な上に、長持ちする。めんどうな接着剤を使う必要がない。

カツラは、フロント生え際が一番大事で、この部分に一番気を遣う。それがないつむじ用カツラというのは、何かと扱いがラクなのである。もしフロント生え際が元気なら、つむじだけをカバーする一択である。

髪素材  色コード

カツラの髪素材について、色を指定する方法として、色コードを指定する方法がある。

真っ黒な髪が#1であり、明るくなるにつれて、#1B, #2, #3 ,…と数字が大きくなっていく。

ただし、この色コードは、多くのカツラ店で使用されているものの、規格が決まっているわけではない。
このため、同じ色コードでも実際の色は店によって異なる。特に明るい色(茶髪)では、カツラメーカーによって色合いの差が顕著になる。

日本人では#1がやや多いが、#1Bも多い。#2以上は、日本人の髪ではあまり見られず、染めた人向けである。
なお、黒々とした髪は、カツラっぽく見える原因の一つである。
もし、髪色がちょっとでも明るいなら、#1Bを選んだ方がよいだろう。
屋外に長くいる人なら、紫外線のため頭頂部の髪の色が少し抜けて明るい色になっているのは、よく見られる。
したがって、頭頂部のカツラ部分の色が僅かに薄いのは、決して不自然ではない。
逆に頭頂部だけ色が黒いのはちょっと不自然だ。バレないかつらとして注意する必要がある。

なお、それでも明るい色に抵抗があるのであれば、#1と#1Bを半分ずつか、あるいは任意の割合で混ぜる、という指定もできる。

もし、#1Bでオーダーして、実際にはもっと黒い髪が欲しかった場合、市販の毛染め剤で、カツラを染めて色を濃くすることは可能である。
しかし、#1でオーダーすると、髪の色を薄くすることはできないため、色は変えられないことになる。
「カツラの髪は薄い方向へ染めることはできない」という点には十分留意されたい。

かつらベース

カツラの構成要素は2つある。それは、1つは髪、もう一つは、髪を結わえ付ける「土台」である。
本項目では、この土台、つまりベースについて解説する。

いわゆる「増毛」、すなわち、髪素材(髪単体)を購入しそれを自分の毛に結びつけるのは例外であるが、
それ以外の手法を使おうとすると、必ずベース(土台)が必要になる。
ベースなしに髪を固定することができないためだ。
ベースは様々なものがある。代表的なものは、次のとおりである。

・糸状
造りが簡単なため昔から用いられており、かつらというより増毛の一種と考えた方が近い。釣り糸、テグスのような透明な糸に、髪を結んだものである。この透明な糸の両端を、自毛に結びつけたり接着剤で接着する。そうすると、その間の線空間に髪が装着される、という手法である。この手法では、透明な糸がベースになる。
広い面積をカバーする必要があれば、この糸状の素材を並行に何本も貼っていく。
施工に手間がかかるが、素材としては糸を貼る感覚を調整することでかなり広範囲の毛量に対応できる。
その意味では中小のかつらサロンに向いたアイテムである。

・網状
カツラ用に広く使用される素材。かつらと言えばこのタイプを指すことが多い。
数ミリから1cm程度の目の粗さの黒い網を、頭の形状に合わせて半球上に整形する。
この網に髪を結わえ付けるのである。
網がベースとなる。
網が黒いのは、髪が透けて見えた時にベースが見えないよう、髪の一部に見えるようにするためである。
これはバレないかつらとして重要だ。

・メッシュ状のもの
上述の網タイプのベースに対し、厚みを薄くして、また肌色(まれに黒色も使用される)のメッシュ状にしたものが、
貼るタイプのカツラである。メッシュは数ミリ以下の目であり、網タイプに比べて非常に細かい。
また、繊維も太さもかなり細く、見えにくさに優れる。

・特殊形状
網状でありながら、編み目を極端に粗くしたタイプもある。
これは、自毛が少しだけ減った状態で使用される。したがって、自毛がかなり少なくなった状態では不適合である。
また、ベースを見せないために、相当多い髪量まで増やすことになる。
女性の場合、高齢でも多い髪が不自然ではないため、よくこうした形状が使われる。
男性の場合は、年に見合うよう髪量を減らした方が自然なので、このタイプはあまり使われない。

人毛(天然毛髪、バルクヘアー)

バルクヘアーとは、主に途上国の街中で専門業者が買い集めた人の毛髪に対し、キューティクルを取り除き脱色してから必要な色に染めた髪素材を指す。
かつらに使用する髪素材として最も一般的に使用されており、カツラで「天然毛髪」「人毛」と言えばこれをことだ。

カツラ素材のファーストチョイスであることから最も一般的に使われ、流通量も多い。一般的な黒や茶はもちろん、特殊な色の髪も販売されている。
供給源は途上国で、中国の女性やインドの男性から提供された髪を原料としているが、当店のかつらでは中国製を使用している。
天然毛髪の欠点として、「絡み」と「色落ち」がある。
絡みとは、シャンプー時など髪をくしゃくしゃにすると、髪が絡み合ってダンゴ状態となり、ブラシが通らなくなる状態を言う。髪の表面の荒れや静電気が原因で発生する。初期の段階ならカツラ用の毛絡み防止剤で改善できる。
いったん発生してしまった場合、ヘアパックで表面をなめらかにすれば改善する場合もある。
ただし、特に表面が損傷した毛ではあまり効き目のないことも多い。発生する前に髪表面を傷めないようにするのが有効である。

色落ちは、染色剤が汗やシャンプー、紫外線によって抜けたり薄れてくる状態である。
数年も使う従来型カツラの場合は定期的に染め直す必要があるが、貼るタイプのカツラはベースの寿命がそれほど長くないため、染め直しが必要になる前に寿命となる場合も見られる。
染め直す場合は、市販の毛染め剤を使用して自分で作業するか、専門店に依頼する。
特に黒髪は染の進み具合の調節も簡単で、自分で作業することは十分可能だ。ただし、毛染め剤で洗面所や浴室を汚さないようにしよう。

カツラ用素材としては、これ以外に「人工毛髪」がある。
これは化学繊維でできた髪であり、同一品質の髪が大量に生産できることから、量の確保が必須となる大手カツラ会社では好んで使われる。
近年は品質も向上してきたとはいえ、まだ自然さでは天然毛髪にかなわないため、当店では推奨しない。
ただし、大手では独自に開発したかなり天然毛髪に近い高級製品も販売している。ただし、こうした高級人工毛髪は特許で保護されていたり、自社専用の差別化アイテムと位置づけて一般には流通させない場合が多く、権利を持つカツラ会社以外では使われることはない。

かつらに使う髪素材

カツラの髪としては、ヒトから採取した髪である「人毛」あるいは「天然毛髪」と、人工的に作り出した髪である「人工毛髪」がある。

人工毛髪とは、ヒトの毛髪に似せて作られた化学繊維でできた髪で、大量生産されている。
人形や、カットの練習用に美容師・理容師が使う安価なものもあれば、できるだけ人毛に似せた高級品もある。
天然毛髪より耐久性に優れるが、自然さは劣る。

特に、直射日光があたる屋外や、強いスポット照明のある場所では自毛との境界で色が違って見えることがあり、注意を要する。また、人工毛髪は熱や摩擦に弱いため取り扱いには注意が必要だ。
例えば、カツラを装着して寝る際に、激しく頭を枕にこするクセがあると髪が劣化することがある。
人工毛髪のかつらは、長耐久であることから1年以上使うことを前提にしていることが多く、したがって摩擦によるダメージは損傷範囲が広く問題になる。

もともと、日本の大手のカツラメーカーでは、安定して大量の髪を手に入れる必要があったため、
同一品質のものが簡単に製造できる人工毛髪を開発したという経緯がある。
その甲斐あって、大手の作る人工毛髪はとても精巧にできている。
一方で、こうした高級人工毛髪はオプション扱いになっていることがあり、気をつける必要がある。まずは安い製品の価格を提示して安心させた上で、安い製品と高価な製品を手に取らせて違いをアピールし、結局高価な製品を契約させる、ということが普通に行われているのだ。
カツラサロンでカツラを購入する際は、自然な人工毛髪は標準価格に含まれているのか、それともオプションで別料金なのか最初に確認するべきである。
悪質なかつらサロンでは、価格表を見せず、言い値となる場合がある。客の懐具合で金額がかわるのだ。価格表を見せないサロンは要注意だ。