生え際の密度

一般に、髪はフロント生え際では髪量が少なく、後頭部に行くに従って髪が増えている。
そこで、この髪分布を再現することで、よりカツラを自然に見せることができる。

特に理由がない限り、生え際の髪を減らす「自然な生え際」を選択しておきたい。
これは生え際から数センチ程度、髪の密度を減らして製作する、という意味である。
なお、この髪を減らす量・範囲は小さく、これを選択したことでカツラ全体が薄く見えるという心配はない。

全周囲縁ありのカツラの場合、生え際を見せないことが前提であり、縁が見えないように生え際も髪量は減らさない。

植毛 その2

自家植毛は、元気な毛を毛包単位で移植します。
メスを使わない方法が広く行われており、安全性が高くなっています。
メスを使わないのにどうやってグラフトを採取するかと言うと、「パンチブレード」と呼ばれる機械を使って毛根を一つ一つ頭皮から繰り抜きます(パンチ)のでパンチグラフト法と呼ばれたりもします。

薄毛部分への移植も「パンチブレード」使い、0.6~0.8ミリ程度の極小の穴を一つ一つ開け、その穴に採取した毛根を植え付けていきます。

この方法は頭皮を切開しなくてすむため、傷が小さくて済みます。
麻酔が切れた後も痛みは少なく、回復も早い方法です。

なにしろ、数日後にはほぼ通常の生活に戻ることができます。
傷口が目立たなくなるまでは数週程度。かなり短い期間です。

また、メスで切開しないため、抜糸がありません。
遠方の病院で施術する際には重要なポイントになります。

一方で、正確に毛を切り出さないといけません。切り出す際に根毛を損傷させるとアウトです。また、位置決めを1回1回行うので、手間はかかります。

この問題を解決したのが植毛ロボット「ALTUS(アルタス)」です。

ALTUS(アルタス)は毛株を採取するためのロボットで、
側頭部・後頭部の採取部分を高速撮影し、画像解析して、毛の密度や向き・角度を把握、その情報を元に、ロボットアームがミクロンレベルの精度で摘出するので、手作業よりも高品質なグラフトを採取できるようになりました。
また、精密なだけでなく1時間に500株以上のスピード摘出が可能なので生着率の低下も防ぎます。

摘出の際に最適な間隔をARTASが計算するのでドナー摘出部分がムラにならない、施術者の人為的ミスによるリスクが低いという品質管理上のメリットもあります。

植毛

自毛植毛とは、自分の別の場所にある髪をとってきて、薄毛になっている部分に植える方法です。

他の薄毛対策とくらべて、次のメリットがあります。

生着率が高い
自毛植毛に使用する毛髪は、生える力がある、つまり男性型脱毛が起きにくい側頭部や後頭部の毛髪です。
移植した毛髪は一旦抜け落ちますが、数ヶ月で発毛が始まります。
毛乳頭が移植した部分の頭皮の毛細血管や神経と結合することで生え揃います。
毛乳頭とは毛髪の成長に必要な栄養を取り入れる組織のことです。

再び生える現象を生着と言い、現在の生着率(定着率)は高いと言われています。
何しろ、自分の毛。拒絶反応(身体が異物とみなして抜けてしまうこと)が起きないから実現できるのです
この高い生着率は自毛植毛ならではのメリットです。

さらに、移植される毛髪は、もともと脱毛しにくい部位であり、男性型脱毛症の影響を受けにくい毛髪なので、生着すれば自分の髪として生涯生え続けます。

自然な仕上がり
自分自身の毛髪なので、髪の色や髪質が周りになじみやすいのも特徴です。
驚くべきことに、年齢を重ねると白髪にもなってきて、まったく自毛と変わりません。
また株分けした毛髪を移植する場所によって使い分けることで、より自然な効果を作り出せます。

本数の多い株はボリュームは出せるが自然さが欠ける、1本の株では自然だがボリュームを出しにくい、などの効果のため、併用されることもあります。

男性ホルモンの影響を受けにくい
前頭部や頭頂部の薄毛の原因の1つに男性ホルモンが挙げられます。

テストステロンが5αリダクターゼによってジヒドロテストステロンに変異します。 このジヒドロテストステロンが毛乳頭の男性ホルモン受容体と結合することで髪が育たず脱毛してしまうのです。
実は自毛植毛に使われる側頭部や後頭部の毛乳頭には、男性ホルモン受容体がほとんど有りません。

そのため移植後も男性ホルモンの影響で抜けることなく育つのです。

かつては人工毛を植える手法が一般的でしたが、今ではあまり使われません。
ばれない、という点ではよいものの、人体へのマッチという点で大きな課題があるからです。