髪の長さの注文方法

カツラの髪の長さは標準は10cmから15cm。この範囲であれば追加料金は発生しない。
これ以上の長髪が必要な場合は5cm刻みで指定できるが、追加料金が発生する。
男性用カツラでは、12.5cmが標準的な髪長さになる。一般的な男性ヘアスタイルならこの長さで適合する。

なお、髪長さを細かく指定してもそのままで着用はできず、カツラの髪カットは必須である。

最初は心配でつい長い髪を指定しがちだが、あまり長すぎるとカットしなくてはならない量が増えるので美容師が嫌がる。慣れてきたら適正量を探したい。
工場としても、長い髪は価格が高いので、あまり使いたくないのだ。
それに加え、長すぎる髪は、最初の装着のとき、テープに巻き込んだり、接着剤に張り付いたりと、トラブルの元になる。何事もほどほどがよい。

生え際の密度

一般に、髪はフロント生え際では髪量が少なく、後頭部に行くに従って髪が増えている。
そこで、この髪分布を再現することで、よりカツラを自然に見せることができる。

特に理由がない限り、生え際の髪を減らす「自然な生え際」を選択しておきたい。
これは生え際から数センチ程度、髪の密度を減らして製作する、という意味である。
なお、この髪を減らす量・範囲は小さく、これを選択したことでカツラ全体が薄く見えるという心配はない。

全周囲縁ありのカツラの場合、生え際を見せないことが前提であり、縁が見えないように生え際も髪量は減らさない。

フレンチレース

カツラのベース(土台)に使用されるレース素材の一種。
当店では、レースはその厚みによって、薄い方ものから順にスイスレース、フレンチレース、モノレースの3種がある。
フレンチレースは厚さの点では中間的なレース素材。自然さと使いやすさのバランスがよく、貼るカツラでは最も多く使用される。当店では8割以上がフレンチレースである。

初心者から熟練者までお勧めのレースで、フロント用から全頭カツラまでオールマイティに使用できる。
ある程度耐久性があり、使用期間の目安としてフレンチレースでは3-4ヶ月くらいになるケースが多い。ただしこれは個人差が大きく、特に扱いの丁寧さと着脱の頻度によって変わる。

フレンチレースであれば、肌に密着させれば通常は見えないレベル。もちろん、明るい照明のもとで凝視すればわかるが、通常はそのような状況になることはないだろう。
初めて貼るかつらに挑戦するときは、フレンチレースがお勧めだ。

固定ピン

カツラを自毛に固定する際、金具で自毛を挟んで留めることができる。この金具のことを「ピン」と呼ぶ。

ピンの中でもカツラの縁にあらかじめ取り付けられ、外したり移動したりできないタイプの金具を「固定ピン」と呼ぶ。固定ピンは従来型カツラで広く使用されている。
いわゆるヘアピンのようにワンタッチで自毛を挟む方式なので、カツラ着脱はわずか10秒ほどで完了する。
この手軽さは他の装着法ではとうてい不可能だ。

このメリットがあるので、とりあえずカツラを試したい場合、カツラを常用しない場合、アレルギー体質の場合、
毎日シャンプーしたい場合など、今なお固定ピンは幅広く使用されている。

一方で、少ない箇所(せいぜい5,6箇所)で自毛に留め、しかも同じ場所であるため、装着場所では自毛への負担が大きいという欠点がある。このために自毛が抜けたり、自毛が引っ張られて頭皮に内出血を起こすケースもある。
カツラの内側だから外観上の問題はないとはいえ、頭皮や自毛への負担が大きいというのは問題である。
また、カツラを手軽に装着できるのはよいが、一方でカツラがずれやすいという欠点がある。これはしばしば致命的な欠点であり、カツラがずれたためにバレた、というのはほとんどがピンによる装着だ。

固定ピンはかなり昔から使用されており、多数の特許が出願されている。
特に有名カツラサロンでは独自のものを採用しており、一部のカツラピンは特許で守られているため形状を真似することはできない。

つむじ

自分のつむじをカバーするカツラの場合、必ずかつらの側にも「つむじ」を1箇所設定する必要がある。

つむじとは、髪の流れが変わる点のことで、髪を四方八方に流す起点となる。
原則として、つむじの位置は製作時に決まり、いったん出来上がればドライヤーなどを使ってもつむじ位置を変えることはできない。
間違えやすいが、分け目位置は自由に変えることができるのに対して、つむじ位置は固定となるので注意が必要だ。

つむじをなしで作ることもできるが、その場合は、髪を四方八方に流す起点がないわけであり、当然、髪を一方向(通常は前方向)に流すことになる。

フロント用のカツラでは、つむじを付けず、すべて前に流すタイプが普通だ。
また、特殊なものとしては傷跡を隠すためのカツラとしても、つむじなしが使われる。この場合は、その場所にあった方向に髪を流す。

いずれにしても、『自分のつむじをカバーする場合は、カツラにもつむじあり』、『自分のつむじをカバーしないなら、カツラもつむじなし』、と考えれば間違いない。
もし、つむじをカバーするカツラなのにつむじなしで製作してしまうと、カツラの髪はすべて一方向へ向いているわけだから、自毛との境界に困る。つまり、カツラの髪の上流側の端部では、カツラの髪もないし、自毛もない、という状態になってしまう。逆に、フロント用に対してつむじを作ると、前頭部につむじが生じて奇妙なことになる。

なお、つむじには人工皮膚を入れるわけではないため、レースが見えることになる。
レースは薄いため、一般に、レースが肌に密着していれば見えにくいが、それでもつむじ部分でレースが見えるのを気にする方もいる。
こうした場合、つむじだけ髪量を多くするよう指定した方がよいだろう。

髪素材  色コード

カツラの髪素材について、色を指定する方法として、色コードを指定する方法がある。

真っ黒な髪が#1であり、明るくなるにつれて、#1B, #2, #3 ,…と数字が大きくなっていく。

ただし、この色コードは、多くのカツラ店で使用されているものの、規格が決まっているわけではない。
このため、同じ色コードでも実際の色は店によって異なる。特に明るい色(茶髪)では、カツラメーカーによって色合いの差が顕著になる。

日本人では#1がやや多いが、#1Bも多い。#2以上は、日本人の髪ではあまり見られず、染めた人向けである。
なお、黒々とした髪は、カツラっぽく見える原因の一つである。
もし、髪色がちょっとでも明るいなら、#1Bを選んだ方がよいだろう。
屋外に長くいる人なら、紫外線のため頭頂部の髪の色が少し抜けて明るい色になっているのは、よく見られる。
したがって、頭頂部のカツラ部分の色が僅かに薄いのは、決して不自然ではない。
逆に頭頂部だけ色が黒いのはちょっと不自然だ。バレないかつらとして注意する必要がある。

なお、それでも明るい色に抵抗があるのであれば、#1と#1Bを半分ずつか、あるいは任意の割合で混ぜる、という指定もできる。

もし、#1Bでオーダーして、実際にはもっと黒い髪が欲しかった場合、市販の毛染め剤で、カツラを染めて色を濃くすることは可能である。
しかし、#1でオーダーすると、髪の色を薄くすることはできないため、色は変えられないことになる。
「カツラの髪は薄い方向へ染めることはできない」という点には十分留意されたい。

髪素材 チャイニーズレミー

チャイニーズレミーとは、カツラに使う毛髪素材の名称である。
レミーヘアーとは、人の毛髪を採取した後、キューティクルをできるだけ剥がさずに元の素材を活かしたタイプの髪素材を意味する。自然な反面、元の髪の性質が強く現れる。主に女性用かつら用の髪素材として流通しているため細い髪がほとんどで太い髪は手に入りにくい。これはチャイニーズレミーの髪素材を提供するのはほとんどが女性であるためだ。対照的に、インディアンレミーでは男性からの供給があり、太い髪も手に入りやすい。

チャイニーズレミーは、インディアンレミーより日本人の髪の感じに近い。
このため、日本で販売されているかつらは、レミーの場合チャイニーズレミーが使われることが多い。

レミーの特長として、風合いが髪に近く、自然なスタイルが作りやすいという点が挙げられる。
このため、標準ですべての髪をレミーとしているカツラメーカーもある。
また、結び目の脱色がしやすいという特長がある。これもレミーが有利な理由の1つである。
一方で、髪の性質が安定しないという欠点があり、しばしば、前回のかつらと髪質が違う、という指摘となる。

人毛(天然毛髪、バルクヘアー)

バルクヘアーとは、主に途上国の街中で専門業者が買い集めた人の毛髪に対し、キューティクルを取り除き脱色してから必要な色に染めた髪素材を指す。
かつらに使用する髪素材として最も一般的に使用されており、カツラで「天然毛髪」「人毛」と言えばこれをことだ。

カツラ素材のファーストチョイスであることから最も一般的に使われ、流通量も多い。一般的な黒や茶はもちろん、特殊な色の髪も販売されている。
供給源は途上国で、中国の女性やインドの男性から提供された髪を原料としているが、当店のかつらでは中国製を使用している。
天然毛髪の欠点として、「絡み」と「色落ち」がある。
絡みとは、シャンプー時など髪をくしゃくしゃにすると、髪が絡み合ってダンゴ状態となり、ブラシが通らなくなる状態を言う。髪の表面の荒れや静電気が原因で発生する。初期の段階ならカツラ用の毛絡み防止剤で改善できる。
いったん発生してしまった場合、ヘアパックで表面をなめらかにすれば改善する場合もある。
ただし、特に表面が損傷した毛ではあまり効き目のないことも多い。発生する前に髪表面を傷めないようにするのが有効である。

色落ちは、染色剤が汗やシャンプー、紫外線によって抜けたり薄れてくる状態である。
数年も使う従来型カツラの場合は定期的に染め直す必要があるが、貼るタイプのカツラはベースの寿命がそれほど長くないため、染め直しが必要になる前に寿命となる場合も見られる。
染め直す場合は、市販の毛染め剤を使用して自分で作業するか、専門店に依頼する。
特に黒髪は染の進み具合の調節も簡単で、自分で作業することは十分可能だ。ただし、毛染め剤で洗面所や浴室を汚さないようにしよう。

カツラ用素材としては、これ以外に「人工毛髪」がある。
これは化学繊維でできた髪であり、同一品質の髪が大量に生産できることから、量の確保が必須となる大手カツラ会社では好んで使われる。
近年は品質も向上してきたとはいえ、まだ自然さでは天然毛髪にかなわないため、当店では推奨しない。
ただし、大手では独自に開発したかなり天然毛髪に近い高級製品も販売している。ただし、こうした高級人工毛髪は特許で保護されていたり、自社専用の差別化アイテムと位置づけて一般には流通させない場合が多く、権利を持つカツラ会社以外では使われることはない。

かつらに使う髪素材

カツラの髪としては、ヒトから採取した髪である「人毛」あるいは「天然毛髪」と、人工的に作り出した髪である「人工毛髪」がある。

人工毛髪とは、ヒトの毛髪に似せて作られた化学繊維でできた髪で、大量生産されている。
人形や、カットの練習用に美容師・理容師が使う安価なものもあれば、できるだけ人毛に似せた高級品もある。
天然毛髪より耐久性に優れるが、自然さは劣る。

特に、直射日光があたる屋外や、強いスポット照明のある場所では自毛との境界で色が違って見えることがあり、注意を要する。また、人工毛髪は熱や摩擦に弱いため取り扱いには注意が必要だ。
例えば、カツラを装着して寝る際に、激しく頭を枕にこするクセがあると髪が劣化することがある。
人工毛髪のかつらは、長耐久であることから1年以上使うことを前提にしていることが多く、したがって摩擦によるダメージは損傷範囲が広く問題になる。

もともと、日本の大手のカツラメーカーでは、安定して大量の髪を手に入れる必要があったため、
同一品質のものが簡単に製造できる人工毛髪を開発したという経緯がある。
その甲斐あって、大手の作る人工毛髪はとても精巧にできている。
一方で、こうした高級人工毛髪はオプション扱いになっていることがあり、気をつける必要がある。まずは安い製品の価格を提示して安心させた上で、安い製品と高価な製品を手に取らせて違いをアピールし、結局高価な製品を契約させる、ということが普通に行われているのだ。
カツラサロンでカツラを購入する際は、自然な人工毛髪は標準価格に含まれているのか、それともオプションで別料金なのか最初に確認するべきである。
悪質なかつらサロンでは、価格表を見せず、言い値となる場合がある。客の懐具合で金額がかわるのだ。価格表を見せないサロンは要注意だ。

髪の量の決め方

カツラに植える髪の量はパーセンテージで指定する。
問題は、いくつの数量を指定するかであるが、カツラは主観が重要であるため、人によって好みの量はかなり違う。
髪は少な目の方が自然に見えるが、一般にかつら装着者は少ない髪に強い不安を覚える傾向があるため、
最初は多めからスタートするほうがベターだ。
特に従来型のカツラからの移行の場合、120%-130%とかなり多い髪量がお勧めである。
これは従来型かつらの欠点であるが、極端に多い毛量としてベースを隠すため、そこから移行する場合は多い毛量でスタートして徐々に減らしていく、という方法を取らざるを得ない。

パーセント数による髪量の指定方法は、昔から慣例的に使われている。
では、100%は何か、というと諸説あってよくわかっていない。
国際規格があるわけではなく、それぞれのカツラショップが独自にチャートを作って定義しているようだ。
このため、店を変えるときは同じ指定でも量が異なるため、注意が必要だ。

髪量の感じ方は個人差がとても大きい。
また、同じ人でも装着しているうちに気が変わることも多く、購入当初は80%でも少ないと思っていたのだが、1ヶ月も使っていると多すぎると感じて次回は70%にする、などというケースもよく見られる。
写真でみたとき、実物を手の上において見たとき、カットせずに頭に仮装着したとき、本装着してカットしたとき、そのまま1週間程度経ったときと、どんどん印象は変わっていく。
特にサンプルで選ぶときは、実物があるので間違えないと思いきや、こんなはずではなかったということも起こりうる。
バレないかつらを作るためには、こうした点にも注意する必要がある。