固定ピン

カツラを自毛に固定する際、金具で自毛を挟んで留めることができる。この金具のことを「ピン」と呼ぶ。

ピンの中でもカツラの縁にあらかじめ取り付けられ、外したり移動したりできないタイプの金具を「固定ピン」と呼ぶ。固定ピンは従来型カツラで広く使用されている。
いわゆるヘアピンのようにワンタッチで自毛を挟む方式なので、カツラ着脱はわずか10秒ほどで完了する。
この手軽さは他の装着法ではとうてい不可能だ。

このメリットがあるので、とりあえずカツラを試したい場合、カツラを常用しない場合、アレルギー体質の場合、
毎日シャンプーしたい場合など、今なお固定ピンは幅広く使用されている。

一方で、少ない箇所(せいぜい5,6箇所)で自毛に留め、しかも同じ場所であるため、装着場所では自毛への負担が大きいという欠点がある。このために自毛が抜けたり、自毛が引っ張られて頭皮に内出血を起こすケースもある。
カツラの内側だから外観上の問題はないとはいえ、頭皮や自毛への負担が大きいというのは問題である。
また、カツラを手軽に装着できるのはよいが、一方でカツラがずれやすいという欠点がある。これはしばしば致命的な欠点であり、カツラがずれたためにバレた、というのはほとんどがピンによる装着だ。

固定ピンはかなり昔から使用されており、多数の特許が出願されている。
特に有名カツラサロンでは独自のものを採用しており、一部のカツラピンは特許で守られているため形状を真似することはできない。

「全周囲縁あり」とは

貼るカツラでは、多くの場合、補強のための「縁」を、横と後ろにつける。
縁とは、かつらの一部(まれに全部に)裏打ちする、ポリエステル製のシートである。
ポリエステルシートを裏打ちすることで、ベースに強度をつけ、またテープを付けるための土台となる。
レースはメッシュ状でテープをつけようにもテープと接触する面積が少ないため、なかなかうまくつかない。
これに対して縁があれば、なめらかな表面を持つシートなので、テープがよく接着する。
かつらの使い勝手が大きく向上するので、迷ったら縁ありを選択してほしい。

横と後ろだけでなく、前も含めた全周囲に縁を付けることも可能である。
これは「全周囲縁あり」と呼ばれるカツラである。

全周囲縁ありのかつらにすると、レース部を接着する必要がないため、カツラ着脱が楽になるという特長がある。
また、フロントにレースがあると、レースはもともと強度が弱く損傷しやすいのに加え、
フロントはブラシがあたる頻度が高く、レースも傷みやすいというデメリットを甘受する必要がある。

一方で、フロント生え際を見せることができないため、分け目をはっきりつけることができないという欠点はある。
どうしても分け目を付けたいという場合は、カツラの髪量を相当多くする必要がある。
また、分け目がない場合でも、髪量の少ないカツラにすると縁が見えるため、ある程度の髪量は必要である。

最初に始めるかつらは、無難なところから始めるためにもフロントには縁を付けないほうがよいだろう。
ある程度貼るカツラに慣れてきてから、このタイプにチャレンジしたほうがよい。

また、仕事や学校がある時には自然さを優先し、バレないかつらとして「横と後ろに縁あり」のかつらを装着し、
オフタイムには扱いが楽な「全周囲縁あり」のカツラを使用するのもよい方法である。
全周囲縁ありのカツラは、移動ピンを使うことによりピン留めのカツラとしても使用できる。
(ただし、髪を剃る範囲が違うため、ピンをつけたり外したりして使うことはできない。
いったんピン留めカツラとしたら、その後もピン留めとして使う必要がある)