つむじ

自分のつむじをカバーするカツラの場合、必ずかつらの側にも「つむじ」を1箇所設定する必要がある。

つむじとは、髪の流れが変わる点のことで、髪を四方八方に流す起点となる。
原則として、つむじの位置は製作時に決まり、いったん出来上がればドライヤーなどを使ってもつむじ位置を変えることはできない。
間違えやすいが、分け目位置は自由に変えることができるのに対して、つむじ位置は固定となるので注意が必要だ。

つむじをなしで作ることもできるが、その場合は、髪を四方八方に流す起点がないわけであり、当然、髪を一方向(通常は前方向)に流すことになる。

フロント用のカツラでは、つむじを付けず、すべて前に流すタイプが普通だ。
また、特殊なものとしては傷跡を隠すためのカツラとしても、つむじなしが使われる。この場合は、その場所にあった方向に髪を流す。

いずれにしても、『自分のつむじをカバーする場合は、カツラにもつむじあり』、『自分のつむじをカバーしないなら、カツラもつむじなし』、と考えれば間違いない。
もし、つむじをカバーするカツラなのにつむじなしで製作してしまうと、カツラの髪はすべて一方向へ向いているわけだから、自毛との境界に困る。つまり、カツラの髪の上流側の端部では、カツラの髪もないし、自毛もない、という状態になってしまう。逆に、フロント用に対してつむじを作ると、前頭部につむじが生じて奇妙なことになる。

なお、つむじには人工皮膚を入れるわけではないため、レースが見えることになる。
レースは薄いため、一般に、レースが肌に密着していれば見えにくいが、それでもつむじ部分でレースが見えるのを気にする方もいる。
こうした場合、つむじだけ髪量を多くするよう指定した方がよいだろう。

消耗品について

貼るタイプのカツラは、いくつかの消耗品が必要だ。代表的な消耗品は次のとおりである。

【カツラ洗浄】

  • シャンプー
  • コンディショナー

【カツラ着脱】

  • 接着剤またはテープ
  • リムーバー

【その他(必要に応じて)】

  • カツラ台
  • 毛染め剤

シャンプーやコンディショナーは、必ずしもカツラ専用のものである必要はない。
薬局などで売られている一般的な市販品で十分だ。
カツラを使っているからと言っても、通常のシャンプー費用と変わらない。1本数百円~千円程度のもので問題ない。

テープ類は通常、月に千円くらい、毎日着脱しても数千円というところだ。

毛染め剤も1箱千円くらいである。男性の髪型なら1箱で2~3回使えるから、1回あたりはさらに安くなる。
こうして考えると、セルフメンテナンスのカツラの費用はほとんどが本体費用であり、
消耗品の費用はそれほど大きくないことがわかる。

コンディショナー

カツラをシャンプーして洗ったら、必ずリンスあるいはコンディショナーで仕上げる必要がある。
そのままにすると、髪がごわついて絡みが発生してしまう。バレないかつらとするためにも、手入れは大切だ。
コンディショナーには洗い流すタイプと洗い流さないタイプがあるが、カツラを装着したまま洗う際は前者をお薦めする。
カツラを外して洗う場合は、どちらでもよいが、洗い流さない方が効果があるのでお勧めだ。
男性の場合、洗い流さないコンディショナーは馴染みがないと思うが、女性用では広く使われている。
最初は、洗い流さないというのは違和感があると思うが、すぐに慣れる。

コンディショナーはさまざまなタイプがあるが、ダメージヘア用のものが髪表面の傷(からみの原因)を修復し、効果的である。毛の表面に膜を作り、すべりをよくする働きがある。毛のダメージとは表面が荒れることなので、こうした修復作用は有効だ。

かつら専用品も発売されているが、一般用でも問題ない。

カツラの髪が傷んできたときにはヘアパックを使うとよい。
コンディショナーに比べてより保修効果が高い。
ただし、毛絡みが発生してからではあまり効果がなく、その前に予防的に使うのがお勧めである。
ヘアパックは大手薬局などで手に入る。

毛を染める

人毛から作られたカツラは、染色剤で染めることができる。レミーヘア、バルクヘアーなども同じだ。
ただし、色が濃い方向へ染めることは可能だが、薄い方向へは染めることはできない。
毛を濃い方向に染めるときは、市販の「黒髪戻し」などの商品名で売られている毛染め剤を利用する。
ただし、薬液に浸す時間は説明書と異なる場合がある。説明書では、未加工の人毛を想定しているため、加工した人毛では染めるスピードが変わるのだ。
そこで、一気に最後まで染めずに、途中で髪の一部を拭き取り、染まり具合を確認する必要がある。
この時、蛍光灯など人工照明下だと、違った色に見えることがあるので、バレないかつらに仕上げるためにも、日中、自然光の下で確認したい。

カツラの髪は、洗浄を繰り返すとだんだん色が薄くなることがある。
日頃、着色剤入りのシャンプーやコンディショナーを使用することで、予防することができる。
もっとも、こうした染めるタイプのコンディショナーを使わなくても、貼るタイプのカツラの場合はその寿命を考えると、1回染色する必要があるかどうか、というくらいである。

白髪は人工毛髪でできているので、いっしょに染まってしまうという心配はない。
染色剤は、髪の成分に反応して色を変えるため、天然毛髪(人毛)以外の部分は染まることはないのだ。
同じ理由で、レースや縁が染まるという心配はいらない。

一方、爪は髪と成分が似ているため、手袋なしで染めようとすると、爪まで黒くなる。注意が必要だ。

髪素材  色コード

カツラの髪素材について、色を指定する方法として、色コードを指定する方法がある。

真っ黒な髪が#1であり、明るくなるにつれて、#1B, #2, #3 ,…と数字が大きくなっていく。

ただし、この色コードは、多くのカツラ店で使用されているものの、規格が決まっているわけではない。
このため、同じ色コードでも実際の色は店によって異なる。特に明るい色(茶髪)では、カツラメーカーによって色合いの差が顕著になる。

日本人では#1がやや多いが、#1Bも多い。#2以上は、日本人の髪ではあまり見られず、染めた人向けである。
なお、黒々とした髪は、カツラっぽく見える原因の一つである。
もし、髪色がちょっとでも明るいなら、#1Bを選んだ方がよいだろう。
屋外に長くいる人なら、紫外線のため頭頂部の髪の色が少し抜けて明るい色になっているのは、よく見られる。
したがって、頭頂部のカツラ部分の色が僅かに薄いのは、決して不自然ではない。
逆に頭頂部だけ色が黒いのはちょっと不自然だ。バレないかつらとして注意する必要がある。

なお、それでも明るい色に抵抗があるのであれば、#1と#1Bを半分ずつか、あるいは任意の割合で混ぜる、という指定もできる。

もし、#1Bでオーダーして、実際にはもっと黒い髪が欲しかった場合、市販の毛染め剤で、カツラを染めて色を濃くすることは可能である。
しかし、#1でオーダーすると、髪の色を薄くすることはできないため、色は変えられないことになる。
「カツラの髪は薄い方向へ染めることはできない」という点には十分留意されたい。

髪素材 チャイニーズレミー

チャイニーズレミーとは、カツラに使う毛髪素材の名称である。
レミーヘアーとは、人の毛髪を採取した後、キューティクルをできるだけ剥がさずに元の素材を活かしたタイプの髪素材を意味する。自然な反面、元の髪の性質が強く現れる。主に女性用かつら用の髪素材として流通しているため細い髪がほとんどで太い髪は手に入りにくい。これはチャイニーズレミーの髪素材を提供するのはほとんどが女性であるためだ。対照的に、インディアンレミーでは男性からの供給があり、太い髪も手に入りやすい。

チャイニーズレミーは、インディアンレミーより日本人の髪の感じに近い。
このため、日本で販売されているかつらは、レミーの場合チャイニーズレミーが使われることが多い。

レミーの特長として、風合いが髪に近く、自然なスタイルが作りやすいという点が挙げられる。
このため、標準ですべての髪をレミーとしているカツラメーカーもある。
また、結び目の脱色がしやすいという特長がある。これもレミーが有利な理由の1つである。
一方で、髪の性質が安定しないという欠点があり、しばしば、前回のかつらと髪質が違う、という指摘となる。

かつらのブラッシング

自毛の場合、ブラッシングは髪型を整えるだけでなく、皮脂を髪全体に行き渡らせる、血行を良くするというメリットがあります。そこで、ある程度ブラッシングは必要ですし、実際に皆様はそのようにしています。

しかし、カツラの場合、ブラッシングは最小限にする必要があります。
つまり、髪型を整える以外の目的でブラッシングする意味はありません。
それどころか、髪に負担をかけるため、過度のブラッシングは寿命を短くする元になります。

カツラにブラシを当てるときは、ゆっくり、ゆっくりと当ててください。
自毛のときのようにスピードを速めて当てるとカツラの負担になります。
特に、髪に引っかかったとき、力任せにブラシを進めなると、大きなダメージになることがあります。

カツラに使用する場合、あまり目の細かいブラシはよくありません。
目の細かいブラシは抵抗が大きく、かつらの髪とレースに大きな負荷をかけるからです。
毛の表面を荒らさないように保つことが、バレないかつらの第一歩です。
抵抗を減らすため、毛先を振動させるブラシもお勧めです。
一方で、磁石つきなど怪しげなブラシも市販されていますが、これは効果はありません。
特に高価なブラシは必要ありませんので、毛の粗いブラシをお求めください。
また、毛にスプレーをかけて通りを良くするのもお勧めです。