毛染め剤

毛を染めるために使用する薬剤。
カツラに天然毛髪(人毛)を使用している場合、ドラッグストアで売られているような市販の毛染め剤を使う。

カツラ専用の毛染め剤もあるが一般では入手困難である。貼るタイプのカツラは何年も使用するわけではないので、薬局で売っている市販品で十分だ。

ほとんどの製品は二液タイプで、使用する直前に混合する。染料で染めるのではなく、髪と反応して色を出す。
一液タイプは短期間のみ染めるタイプが多いので、かつらには適さない。

特殊な毛染め剤として、
ヘナと呼ばれる天然由来の毛染め剤もある。
これは毛染め剤として働くが、同時に髪を修復する働きが強いため、劣化したカツラの髪に効果がある。
購入の際は、100%ヘナが望ましい。ただし、ちょっと扱いは面倒だ。

毛染め剤を使用する場合、濃い方向へ染めることはできるが、明るい方向に染めることはできないという点、注意が必要だ。
脱色剤を使ってもうまく色を抜くことはできないので、明るい方法へは修正できない。
また、元の髪の持っている性質によって、まれにムラができることがある。
染めにチャレンジする時は、予備品のカツラを用意して、万が一失敗しても対応できる状況にしておく必要がある。

生え際の密度

一般に、髪はフロント生え際では髪量が少なく、後頭部に行くに従って髪が増えている。
そこで、この髪分布を再現することで、よりカツラを自然に見せることができる。

特に理由がない限り、生え際の髪を減らす「自然な生え際」を選択しておきたい。
これは生え際から数センチ程度、髪の密度を減らして製作する、という意味である。
なお、この髪を減らす量・範囲は小さく、これを選択したことでカツラ全体が薄く見えるという心配はない。

全周囲縁ありのカツラの場合、生え際を見せないことが前提であり、縁が見えないように生え際も髪量は減らさない。

フレンチレース

カツラのベース(土台)に使用されるレース素材の一種。
当店では、レースはその厚みによって、薄い方ものから順にスイスレース、フレンチレース、モノレースの3種がある。
フレンチレースは厚さの点では中間的なレース素材。自然さと使いやすさのバランスがよく、貼るカツラでは最も多く使用される。当店では8割以上がフレンチレースである。

初心者から熟練者までお勧めのレースで、フロント用から全頭カツラまでオールマイティに使用できる。
ある程度耐久性があり、使用期間の目安としてフレンチレースでは3-4ヶ月くらいになるケースが多い。ただしこれは個人差が大きく、特に扱いの丁寧さと着脱の頻度によって変わる。

フレンチレースであれば、肌に密着させれば通常は見えないレベル。もちろん、明るい照明のもとで凝視すればわかるが、通常はそのような状況になることはないだろう。
初めて貼るかつらに挑戦するときは、フレンチレースがお勧めだ。

固定ピン

カツラを自毛に固定する際、金具で自毛を挟んで留めることができる。この金具のことを「ピン」と呼ぶ。

ピンの中でもカツラの縁にあらかじめ取り付けられ、外したり移動したりできないタイプの金具を「固定ピン」と呼ぶ。固定ピンは従来型カツラで広く使用されている。
いわゆるヘアピンのようにワンタッチで自毛を挟む方式なので、カツラ着脱はわずか10秒ほどで完了する。
この手軽さは他の装着法ではとうてい不可能だ。

このメリットがあるので、とりあえずカツラを試したい場合、カツラを常用しない場合、アレルギー体質の場合、
毎日シャンプーしたい場合など、今なお固定ピンは幅広く使用されている。

一方で、少ない箇所(せいぜい5,6箇所)で自毛に留め、しかも同じ場所であるため、装着場所では自毛への負担が大きいという欠点がある。このために自毛が抜けたり、自毛が引っ張られて頭皮に内出血を起こすケースもある。
カツラの内側だから外観上の問題はないとはいえ、頭皮や自毛への負担が大きいというのは問題である。
また、カツラを手軽に装着できるのはよいが、一方でカツラがずれやすいという欠点がある。これはしばしば致命的な欠点であり、カツラがずれたためにバレた、というのはほとんどがピンによる装着だ。

固定ピンはかなり昔から使用されており、多数の特許が出願されている。
特に有名カツラサロンでは独自のものを採用しており、一部のカツラピンは特許で守られているため形状を真似することはできない。

円形脱毛症とは

自覚症状がなく、ある日突然、頭に円形で境目がはっきりしたハゲができる。
円形の脱毛がひとつだけできるものから、複数同時にできるもの、頭髪全体が抜けるもの、さらに眉毛、まつ毛、陰毛や体毛など、ひどい場合は全身の毛が抜ける場合もある。脱毛部分周囲の毛を引っ張ってみて、毛が抜けるのであれば円形脱毛症が進行していることを意味する。進行が止まれば、多くの場合は数カ月後に軟らかい毛がはえてきて、更にその後、硬い毛が生えてくる。
その意味では、進行を止めることが精一杯の男性型脱毛症と異なり、完全に治るといえよう。

円形脱毛症は、部分的に急にまとめて抜けしまうという特徴がある。
髪の毛が正常に成長していたのにもかかわらず、急に抜けてしまうという点で男性型脱毛症など他の脱毛症と区別できる。
原因として、アレルギーによるもの、ストレスによるものなど諸説あるが、実際にはよくわからないことも多い。

円形脱毛症に対しては、縁なしのカツラを切り取って用いるケースが多い。
この方法だと、1つのカツラから多数切り出すことができるので経済的である。
髪色さえ合えば、既製品カツラもよく用いられる。

ドライヤー

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カツラを装着したままシャンプーした時は、自然乾燥させずにドライヤーで早く乾かす必要がある。
自然乾燥だと乾くまで時間がかかり、接着剤が拡散する原因となったり、
長時間濡れた状態にすると雑菌が繁殖するためである。

ドライヤーで温風を使用する場合、ドライヤーを持っている腕をいっぱいに延ばしてできるだけ遠方から風を当てるようにする。
こうすると、温度が高すぎて髪が傷んだり、人工毛髪(白髪)部分がチリチリになることを防ぐことができる。
それでも、大出力の熱風を同じ場所に当て続けると、特に人工毛髪は傷みやすいので、温度調整をするなど気を遣う必要はある。人工毛髪は種類によって耐熱性が大きく異る。あるかつらで大丈夫だからといって、他の種類のかつらで同じことをしても大丈夫とは限らない。

マイナスイオンドライヤーは、毛の絡みを防ぐ働きがあり、カツラに適する。
静電気を抑える働きがあるため、特に静電気が発生しやすい冬季には大きな効果が期待できる。
いろいろな家電メーカーから発売されているが、当店ではパナソニック製のマイナスイオンドライヤーをお勧めしている。
最新モデルでは1万円以上する高価なものだが、旧モデルならしばしば安売りしているので、ねらい目である。

つむじ専用のかつら

男性型脱毛では、生え際の後退と、つむじ周りの脱毛が同時に起きることが多い。
しかし、薄毛の進行具合は人まちまちであり、人によっては生え際(前頭部)は元気でもつむじだけが薄くなるケースがある。そんな時に使用するのが、つむじ用カツラである。
つまり、フロントは自毛を活かし、頭頂部だけを隠すタイプのカツラである。

つむじ用のカツラは、フロント生え際までカバーするカツラ(一般的な部分カツラ)より
運用上都合のよいことがある。

・装着が少々いい加減でも、まずバレる心配はない。つむじは生え際よりも目立ちにくいのだ。
・このため、全周囲縁ありや全面縁(メッシュ部分がなく、すべての部分が縁素材でできている)タイプが問題なく使用できる。こうしたタイプは、本来、自然さより扱いやすさや寿命を優先する目的で使われ、テープで装着できて扱いが楽な上に、長持ちする。めんどうな接着剤を使う必要がない。

カツラは、フロント生え際が一番大事で、この部分に一番気を遣う。それがないつむじ用カツラというのは、何かと扱いがラクなのである。もしフロント生え際が元気なら、つむじだけをカバーする一択である。

つむじ

自分のつむじをカバーするカツラの場合、必ずかつらの側にも「つむじ」を1箇所設定する必要がある。

つむじとは、髪の流れが変わる点のことで、髪を四方八方に流す起点となる。
原則として、つむじの位置は製作時に決まり、いったん出来上がればドライヤーなどを使ってもつむじ位置を変えることはできない。
間違えやすいが、分け目位置は自由に変えることができるのに対して、つむじ位置は固定となるので注意が必要だ。

つむじをなしで作ることもできるが、その場合は、髪を四方八方に流す起点がないわけであり、当然、髪を一方向(通常は前方向)に流すことになる。

フロント用のカツラでは、つむじを付けず、すべて前に流すタイプが普通だ。
また、特殊なものとしては傷跡を隠すためのカツラとしても、つむじなしが使われる。この場合は、その場所にあった方向に髪を流す。

いずれにしても、『自分のつむじをカバーする場合は、カツラにもつむじあり』、『自分のつむじをカバーしないなら、カツラもつむじなし』、と考えれば間違いない。
もし、つむじをカバーするカツラなのにつむじなしで製作してしまうと、カツラの髪はすべて一方向へ向いているわけだから、自毛との境界に困る。つまり、カツラの髪の上流側の端部では、カツラの髪もないし、自毛もない、という状態になってしまう。逆に、フロント用に対してつむじを作ると、前頭部につむじが生じて奇妙なことになる。

なお、つむじには人工皮膚を入れるわけではないため、レースが見えることになる。
レースは薄いため、一般に、レースが肌に密着していれば見えにくいが、それでもつむじ部分でレースが見えるのを気にする方もいる。
こうした場合、つむじだけ髪量を多くするよう指定した方がよいだろう。

消耗品について

貼るタイプのカツラは、いくつかの消耗品が必要だ。代表的な消耗品は次のとおりである。

【カツラ洗浄】

  • シャンプー
  • コンディショナー

【カツラ着脱】

  • 接着剤またはテープ
  • リムーバー

【その他(必要に応じて)】

  • カツラ台
  • 毛染め剤

シャンプーやコンディショナーは、必ずしもカツラ専用のものである必要はない。
薬局などで売られている一般的な市販品で十分だ。
カツラを使っているからと言っても、通常のシャンプー費用と変わらない。1本数百円~千円程度のもので問題ない。

テープ類は通常、月に千円くらい、毎日着脱しても数千円というところだ。

毛染め剤も1箱千円くらいである。男性の髪型なら1箱で2~3回使えるから、1回あたりはさらに安くなる。
こうして考えると、セルフメンテナンスのカツラの費用はほとんどが本体費用であり、
消耗品の費用はそれほど大きくないことがわかる。

コンディショナー

カツラをシャンプーして洗ったら、必ずリンスあるいはコンディショナーで仕上げる必要がある。
そのままにすると、髪がごわついて絡みが発生してしまう。バレないかつらとするためにも、手入れは大切だ。
コンディショナーには洗い流すタイプと洗い流さないタイプがあるが、カツラを装着したまま洗う際は前者をお薦めする。
カツラを外して洗う場合は、どちらでもよいが、洗い流さない方が効果があるのでお勧めだ。
男性の場合、洗い流さないコンディショナーは馴染みがないと思うが、女性用では広く使われている。
最初は、洗い流さないというのは違和感があると思うが、すぐに慣れる。

コンディショナーはさまざまなタイプがあるが、ダメージヘア用のものが髪表面の傷(からみの原因)を修復し、効果的である。毛の表面に膜を作り、すべりをよくする働きがある。毛のダメージとは表面が荒れることなので、こうした修復作用は有効だ。

かつら専用品も発売されているが、一般用でも問題ない。

カツラの髪が傷んできたときにはヘアパックを使うとよい。
コンディショナーに比べてより保修効果が高い。
ただし、毛絡みが発生してからではあまり効果がなく、その前に予防的に使うのがお勧めである。
ヘアパックは大手薬局などで手に入る。