女性用かつらとは

かつらバックナンバーVol.31

31.女性のかつら

近年、女性用かつらの需要が伸びています。
頭打ちになっている男性用に比べ女性用はまだまだ市場が伸びており、多くのサロンでは女性用かつらに活路を見いだそうとしています。

今回は、そんな女性用カツラに焦点を当てて説明いたします。

そもそも、女性用とは何でしょうか。女性用は男性用と比べて何が違うのでしょうか。

女性用かつらの種類

女性用は、大きく分けて3つのタイプがあります。
・おしゃれ用
・女性の薄毛対策用
・医療用
それぞれについて説明いたしましょう。

■おしゃれ用(ファッション)女性かつら

もっとも広く使われている女性用カツラは、おしゃれ用、ファッション用と呼ばれるタイプのものです。 販売数量から見れば、女性用の大半はこれです。
ウィッグ、ヘアピースと呼ばれることもありますが、後述の薄毛対策用、医療用も同じ名前で呼ばれますので、名称だけでは区別がつきません。 さらにややこしいことに、エクステンション(付け毛)もウィッグと呼ばれることがあります。

ファッション用かつらとは、女性が、普段とはヘアスタイルを変えたり、髪を長く伸ばしたり、髪色を変えたりといった用途に使われるカツラで、 エクステンション(付け毛)の拡張版といった位置付けになります。
理屈の上では女性に限る訳ではなく、男性用のファッション用も技術的には可能ではあるのですが、現実にはヘアスタイルを変えたいというニーズのほとんどは女性のものなので、男性用のファッション用はほとんどお目にかかりません。

髪全体をカバーする、全頭かつらが多く用いられます。自毛はカツラの内側に隠します。 (薄毛対策用と違い、ファッションかつらでは自毛をどう隠すか、というのは重要な問題です)

大きなショッピングモールやデパートには、大抵、女性用のファッションウィッグのコーナーがあり、 カツラを被った女性のマネキンが多数展示されているのを見た方も多いでしょう。
オーダーメード(注文による製作)はあまりなく、レディメード(あらかじめ作ってある品、既製品)が一般に用いられます。 このタイプの女性用ウィッグは値段が安いのが特長で、ものによっては1万円以下で手に入るものさえあります。
通信販売でも広く売られており、例えば、インターネット通販の最大手である 楽天で検索 すれば、多数の女性用かつらが見つかります。
髪色、髪型などはとても多くのバリエーションがあり、通常はレディメードでも十分実用になります。

このジャンルでは、耐久性や装着感は二の次で、値段優先で作られています。 安価な人工毛(化学繊維でできた髪)がよく使われ、また、機械によって製作されるため、安価に製造できます。
ファッション用という性質上、赤、青、緑やピンク、レインボーといった特殊な髪色もあります。

■女性の薄毛対策用かつら

これが今回の話題の中心となる女性用かつらです。
最近は、ストレス、妊娠、加齢などが原因で薄毛に悩む女性が増えています。 その対策として、髪にボリュームを持たせるために女性用かつらが使用されます。 男性の薄毛対策用はTVのCMでよく知られていますが、最近では女性用も広く認知されるようになり大きな市場になってきています。

薄毛に悩む女性の過半数は、分け目などで少し密度が足りず地肌が見えやすい、という比較的軽いレベルです。 これは、特定の領域の髪がすっかり失われてしまうまで進行することが多い男性型脱毛症とは、大きく異なる点です。

こうした症状に対応する女性用かつらとして、目の粗いベース(土台)でできていて、ピンで装着し、装着後にベースの目の間から自毛を引き出して使うタイプが多く用いられます。 自毛をメインとして足りない分だけ補うしくみで、自毛とカツラの髪が混ざるため、自然に見えます。
また、あくまでも自毛が主役というコンセプトなので、全頭に比べ心理的抵抗感も軽減されます。

男性型の脱毛症では、広い範囲が完全に禿げ上がってしまいます。 しかし、男性のハゲと違い、女性の薄毛の場合は、ある部分の自毛がすっかり禿げる、という状態にはならないため、こうした自毛を活かすという方法が有効なのです。

ちなみに、男性用でもこうした自毛を活かすタイプは使われますが、頭頂部の薄毛が進行してくると自毛が不足してカバーしきれなくなるため人工皮膚を併用します。 女性の薄毛と違い、男性型脱毛症では頭頂部や生え際を中心にほとんど髪がなくなってしまう領域が出来てしまうことが多く、自毛を活かす方法だけでは対応できないのです。

薄毛対策用の女性かつらでは、自毛と混ぜて使用するという性質上、髪色はほとんどが黒色もしくは茶色になり、 ファッション用のように奇抜な色はありません。
天然毛髪も、人工毛髪も、もしくはそのミックスも使用されます。天然毛髪(人毛)と人工毛髪は、それぞれ一長一短です。 かつてはほとんどが人毛でしたが、近年は人工毛髪も多く用いられています。

自毛と混ぜて使うタイプでは、髪の色を自毛とぴったり合わせる必要があり、さらに装着する女性によって必要な大きさも密度も異なることから、必然的にオーダーメードが多くなります。
この用途のかつらは、男性用がToupee(ツーペ)と呼ばれるのに対し、女性用はWig(ウィッグ、ウィグ)と呼ばれます。 ヘアピースは、男女共通の呼び方です。

■医療用かつら

抗ガン剤などある種の治療では、髪が失われる場合があります。
また、身体の性質として生まれつき髪がほとんどなかったり、後天的な事がら、例えば病気や負傷などによって髪が失われてしまった女性もいらっしゃいます。

この用途で使われる女性用かつらは「医療用」と呼ばれるものです。
髪が完全になくなってしまう場合も多いことから、男性、女性を問わず全頭カツラがよく使用されます。 すっぽりと頭部全体を覆うタイプです。

全頭という点ではファッション用かつらと似ていますが、医療用は基本的にオーダーメードであり、その人その人に合わせて製作します。
ぴったりに製作できる反面、一般に高価であり、40〜50万円もする場合もあります。 一方で、当店を含め、安価に供給している店もたくさんあり、10万円以下でも手に入ります。

重要なことは、価格と品質は必ずしも比例しないことです。つまり、高価なかつらは高品質か、といえば、必ずしもそうではありません。
現在、ほとんどすべてのかつらは中国など人件費や原料の安い途上国で生産されており、製造原価は驚くほど安くなっています。 レミーヘアー100%、総手植え、という高級な女性用かつらでも、製造原価が数万円を超えることはあまり多くはありません。 日本での販売価格が高いのは、宣伝費などの間接費用が上乗せされているからです。

ファッション用のかつらと違い、女性薄毛対策用や医療用は口コミによる宣伝効果が期待できないので、 売り上げを伸ばすためには多額の広告費用が投入されています。
あまりに高額な値段がついている場合は、ぜひ、いろいろな店を比較検討してみましょう。 最近は、インターネット掲示板など、以前には考えられなかった方法で情報交換が可能になりました。 同じ悩みを持つ女性が集まるコミュニティもmixiなどにあります。

とは言っても、駅前の一等地や病院内に高級イメージのお店を維持し、さらに毎日サポートや営業のために店員を常駐させておくには、それなりの費用がかかるのは事実です。 また、医療関係者からなんらかの形でかつらショップが紹介されたのなら、ショップが紹介料を払っている可能性があります。
そうしたお店の維持にかかる費用や紹介料が製品価格に上乗せされるのはやむを得ない面もあります。

一部のかつら会社では、子供限定で最初の1つを無料で提供するキャンペーンを行っています。 無料提供自体はよいことなのですが、子供でかつらが必要な場合は治療が長期化することも多く、 優良顧客の囲い込みではないかという疑念があります。
いったん装着を始めれば、無料の1つ目がだめになったからカツラを脱ぐ、というわけにはいかず、2個目を買わざるを得ません。 もちろん、2個目からはしっかり有料です。

女性用かつらは、男性用と何が違うの?

構造としては、男性用も女性用も違いはありません。女性用の方が髪が長い、自毛を活かすタイプの割合が高いというくらいです。 ただし、人工毛髪(化繊)なら長い髪も簡単に手に入りますが、天然毛髪(人毛)の場合、長い髪は流通量が少なく、値段も高くなります。

男性用と女性用のもっとも大きな違いは、女性用の場合、サポートをよりきめ細かく行う必要がある、という点が挙げられます。

男性の場合は、薄毛を隠せれば何でもよい、という程度のこだわりな方もみえますが、女性はそういう方はほとんどいらっしゃいません。 女性用のかつらでは、分け目の具合や、髪の光沢から複数の色の混ぜ具合など、細かなリクエストが多くあるのが普通で、お店はそれに応える必要があります。 お客さまの心理的な抵抗感を少しでも減らすため、女性専用の店舗を構え、またスタッフも女性のみにしているお店もあります。

こうした販売上のコストがかかる分、オーダーメードの女性用のかつらは、男性用より割高になる傾向があります。

女性用の増毛

薄毛初期の男性では、「増毛」という方法も用いられます。 少なくなった自毛に、人工の毛を結びつけ、本数を増やすというものです。 通常、1本の自毛に2本の髪を結わえ付けます。結びつけた毛は、結び目から両側に髪が伸びているので、2本結びつければ4本髪が生えたことになります。
女性でもこれと同じ用法が使われることがあります。

増毛はかつらと違いベース(毛が植えてある土台)がないため、その分は自然です。
女性の場合、分け目を中心にちょっと増やすだけで十分なケースが多く、その点では増毛という手段はお勧めです。

ただし、かつらと比べて維持費は高いため、長期にわたる使用には適しません。 1本20円から40円くらいで、千本単位で契約する場合が多いようです。
これだけ聞くとそれほど高価でもないようですが、実は1万本くらいあっという間に使い切ってしまいます。 長く続けているとお金がいくらあっても足りません。 原因がわかっている場合の薄毛など、短期に限ります。

増毛を扱っているほとんどのお店では、無料もしくは安価な値段で、1回だけお試しができるようになっています。 お試しで装着した増毛は、そのまま使用し続けることができます。 契約の前に、まずはお試しでイメージをつかみましょう。