アートネイチャーとアデランス

かつらバックナンバーVol.26

26.アートネイチャーとアデランス

現在、かつらの市場の多くはアートネイチャー社とアデランス社の二社が押さえています。
ライバルという関係で、かつては特許を巡って裁判で争ったこともある二社ですが、実は兄弟とも言うべき関係なのはご存じでしょうか。 両社の創業者は、出身母体が同じなのです。
今回はその話をしましょう。

昭和40年代、日本では、かつらはまだ一般的ではありませんでした。
そんな中で、名古屋にボア・シャポーという女性用カツラの会社がありました。
現在、その会社は存続していませんが、 秋田県の県消費生活相談所(今の消費者センター)が昭和44年に発行した広報冊子や 昔の公正取引委員会の議事録に指導を受けた記録が残っており、当時の状況がわかる貴重な資料となっています。

まず、昭和45年、その会社の社員の1人が、会社を辞めて独立しました。
そうして作ったのがアートネイチャー社です。
続いて昭和47年に別の社員も後を追うように会社を辞めて独立しました。
これが「個人商店アデランス」、後のアデランス社です。
どちらも、当時女性用と思われていたかつらに、男性用として大きな市場があることを見いだしたのです。

両社はその後数十年で、華々しい発展を遂げました。
一時期、両社合わせて、かつら市場の8割前後を押さえたと言われています。 8割というのはとてもすごい数字なのです。 利益率を考えると、当時は笑いが止まらない状態だったでしょう。 広告費をがんがん投入して店舗を増やしていくという積極的な経営を行い、未開の市場を開拓した両社の功績は特筆すべきものがあります。