かつらショップの悩み

かつらバックナンバーVol.14

14.カツラの難しさ3

お客さまからお叱りを受けるナンバーワンは、なんといっても「毛量が少なすぎる」 というものです。
当店では最もよく売れるのは70-80%の髪密度です。 そこで、ホームページにもこれが平均値ということで記載してあります。
ところがその値で注文したら、届いたカツラがちっともフサフサじゃない、というものです。

申し訳ありません。
フサフサのカツラをご希望の場合はそれなりに髪密度指定を大きくしてください。 フサフサかつら用として、160%まで欄が用意してあります。これはかなりの毛量になります。 超フサフサ、20歳の頃の毛量、あるいはもっと多いかもしれません。

70%を白っぽい背景の上で見ると、かなり下が透けて見えます。 でも、頭に装着すると、それほどは少ないわけでもないんですよ。本当に。

かつらの髪を多く作るのは簡単なんです。 髪量が多ければベースは見えないから、丈夫なベース素材を使って作業が楽になります。 毛の根本が見えないから結び目の脱色も必要ないし、機械植えでいいから手間賃も安いし。 売る側からすれば、髪量の多い方がどれほど楽か...

しかし、それはとても自然とは言えません。 ほとんど地肌が見えないようなカツラは、毛量が多すぎます。 特に、加齢による薄毛、禿を隠す場合、年相応の毛量を選ばないと、かえって不自然になります。

こうしたお叱りがある理由の1つは、従来型を販売しているサロンが 毛量の多いカツラを作って、お客さまもそういうカツラを長年使っているケースが 多いからなんです。禿の対策だから髪は多ければ多い方がよい、なんて考えているのですね。

実際、お客さまからサンプル代わりに送られてくる使用済みカツラを拝見すると、 まるで耐震偽装の某建築士のやつ、というような極端なものも散見されます。

サロンでご注文する際、かつらの髪密度は恐らく何も指定せず、 「自然な感じにお願いします」などと注文するケースが大半でしょう。
このようなケースでは、サロンは多めの髪で発注をかけます。

理由は上述のとおり、その方が製作が楽だからです。 クレームにもなりにくいし、多すぎると言われれば、髪をすくだけです。

かつらが初めてだと比較対象もありませんから、サロンが髪が多すぎるカツラを作ってくれば 「かつらとはこんなものだ」と思って装着してしまいます。 そのイメージが、正しい自然な毛量を選ぶ目を曇らせるのです。