救急医療時のかつらの処理

かつらバックナンバーVol.9

9.救急医療 その時かつらはどうなる

レントゲンの話ついでに、救急医療の話を。

頭の診断をする必要があるときは、カツラは外さなければなりません。
意識があれば自力で外すのですが、 もし事故に遭って、意識不明のまま病院に担ぎ込まれたらどうなると思います?

事故に遭った人が病院に担ぎ込まれると、服を脱がす(切り取ってはぎ取る)のは 看護婦さんの役割です。 でも前処理をする看護婦だって、カツラとかヘアリプレースメントの仕組みなんて知りません。

看護婦さんも、かつらの専門知識なんてない中で、医師から指示を受けてなんとか外さないといけないわけですから、大変です。 急を争いますから、力任せに引っ張るか、ハサミでじょきじょき切るか、どちらかです。 運がいいと、消毒用アルコールで剥がしてもらえますが、そこまで気が付くような人はあまりおらず、期待はできません。

かつらに限らず、他の装飾品とかアクセサリーなんかと同じく、とにかくなんとか外すわけです。

ちなみに、救急医療とか集中治療室に配属される看護婦さんは、経験を積んだ優秀な方です。 一般病棟でしばらく勤務した後、優れた能力を持つ看護婦さんだけが選別されて、集中治療室担当になります。 そんな優秀な看護婦さんでも、かつらの扱いは、おそらく知りません。 でも、救急医療の現場では、見たことのない装備を付けたり変わった服装の患者さんが日夜運び込まれる訳ですから、なんとかしてしまいます。すごい。

まぁそんな状態でしたら、患者さんは生死の境をさまよっているでしょうし、 かつらがどうのこうの言っている場合ではないのは確かでしょう。

集中治療室は原則として面会謝絶です。
どのみち、集中治療室には身内でさえ気軽には入れませんから、職場や学校の知人にバレる心配はありません。
容体が安定してくれば近い親族の方は集中治療室に入れますが、それでも制約は多く、単なる知人とかお見舞い客は入室できません。 それに加えて、同室の別の患者さんに処置をしている最中は入室不可になります。 例えば、臨終を迎えるような患者さんがあれば、その前後から臨終後の処置を含めて半日は他の患者さん関係の入室はできません。
遠路から来る人は大変です。事前に電話で面会可能な時間を確認していても、別の急患が運び込まれれば、もう誰も入れてもらえません。ひたすら待つか、日を改めるしかないわけです。

複数のベッドがある集中治療室では、面会のときはロールカーテンを下ろすとかしてプライベートな空間を作りますから 隣のベッドの見舞客にかつらを見られる、という心配もいりません。 そんな状況にある集中治療室ですから、安心してカツラを外すことができます。

さて、集中治療室に運び込まれた時、看護婦が無理に引き剥がしたのなら、かつらが損傷している可能性もあります。
一般病棟に移るまえに、予備のカツラ(なければ、仕方がないので寿命になったもの)を家族の方に持ってきてもらえば、大丈夫です。 集中治療室から一般病棟に移れるということは、一命を取り留めたということですから、かつらのことよりもまずはそちらを祝いましょう。 そもそも、集中治療室にいる間は入浴もままならないのですから、ヘタにかつらを装着したままだと、そちらの方が面倒なことになりかねません。

え、そうはいくか、かつらのことを公開されてたまるかって? ごもっとも。

実は、看護婦や医師は守秘義務があるので、カツラのことを知られてもどうってことはありません。
堂々と、カツラを外して治療に専念してください。

でも、そのはずなのですが、看護婦さんとて人の子、けっこうクチが滑ることがあります。 筆者が看護婦さんと飲みに行ったとき、それはそれは、いろいろな患者さんのことを聞かせて頂きました。 自分の事を、「こんなヒトがいたよー」なんてしゃべられることがあるかと思うとぞっとしますね。 まぁ、さすがに実名は出しませんから、それでよしとしてください。