かつら工場が休みになる日 意外に長い中国の祝日

かつらバックナンバーVol.5

5.かつら工場の休日

中国と言えば、今、日本の昭和40年代、高度成長期にあたる時期を迎えています。

ところで、昭和40年代の日本と言えば、人々はがむしゃらに働いていました。
週休二日なんて大企業でも採用しておらず、盆と正月に何日休めるか、そんな感じでした。 映画「三丁目の夕日」では休みも取らずに働く町工場が舞台となっていました。 あれは架空の映画の世界ではなく、ついこのあいだの日本の現実だったのです。

その成長期のイメージからすると、中国に先進国なみの大型連休があるというと驚くかもしれません。
でも、中国には1年に3回も大型連休があるのです。
・春節(旧暦による正月)1月下旬から2月中旬 旧暦のため年によって変わります
・労働節(メーデー)5月第1週
・国慶節(建国記念日)10月第1週

中国でも昔はこんな長期休暇はなかったのです。 ところが、輸出偏重の経済構造を修正しようという中央政府の意図があり、 内需拡大のためにこんな大きな休みをつくってしまったのです。

この期間は、ほとんどの労働者が休みます。
各地の交通網は大渋滞し、物流も滞ります。
かつら工場も例外ではありません。労働集約型のかつら工場でも、工員は全員休みをとります。 このために、製造工程に大きな影響が出て、例年、この期間を挟む製作には1週間から2週間程度の遅延が発生します。

3つの連休の中でも特に旧正月の影響が大きく、休みの1週間だけでなく、その前後にも休みの影響が波及します。 過去の経験では、かつら製造に最大2週間の遅れが出たこともありました。 地方労働者が出身地に帰って旧正月を祝ったり、かつら材料(特に髪)の供給がとぎれることが、遅れが大きくなる理由です。 近頃はテレビニュースで民族大移動の様子が取り上げられることもあり、広く知られるようになりました。
日本だって正月には帰省しますよね。中国は人口が多いので、需要が集中するとすさまじいものになるのです。