かつらの工場の歴史

バックナンバーVol.1

1.かつらの工場

かつらはどこで作られているかご存じでしょうか。

昭和の時代、日本にはカツラの工場がいくつもありました。高度成長期前後に 日本が重工業にシフトするにつれ、生産拠点は国内に代わって韓国や台湾へ移動しました。 現在では韓国、台湾も競争力を失い、また、軽工業から重工業や情報産業へのシフトを終えましたので、 生産の中心は中国へと移っています。
かつらのような労働集約型の産業は、とにかく人件費が安い地域へシフトするのです。

今では知る人は少なくなりましたが、かつては日本でも数多く生産されていました。 今では日本で作られるのは芸能用など特殊なものや、ごく一部の超高級品かつらだけになってしまいました。
そうした高級な品は、わざわざ「日本製」と表記して高級感をアピールしますので、 逆に言えば、生産国を明示していないカツラは、外国製だと思って間違いありません。

中国は、労働人口が多いということ、かつらの材料となる毛髪(天然毛髪、人毛)の産地ということもあり、当面、この地が生産拠点となるでしょう。
とはいえ、現在、中国では人件費の高騰が続いています。
中国国内でも、工場の場所は湾岸部から内陸部へ移動していく様子が見られると予想しています。

極端に安い人民元と労働力がもたらす競争力のおかげで、あらゆる製品について世界の工場として君臨してきた中国。 しかし、人件費は高騰し、人民元の切り上げも現実味を帯びてきました。 既に中国は工場としては国際社会の中で並の競争力となったとする説もあるくらいです。 また、チャイナリスクを嫌った日本は、すでに投資を控える方向へ舵を切っています。 そう遠くない将来、かつら産業は、カンボジアやインドネシアなどさらに人件費の安い地域へ移っていく日が来るのかもしれません。 もっとも、その頃、日本ではカツラをもっとも必要とする20代から50代の人口は減っており、 今ほどは、需要はないのかもしれません。